外資、異業種、国有企業が参入 中国カフェ市場争奪戦のゆくえ
1999年にスターバックスが中国・北京に1号店を開業したとき、中国にはそもそも「コーヒーを飲む」という習慣がほぼ存在しなかった。それから20年あまり、上海では約7000店舗のカフェがあり、ニューヨークやロンドン、東京を上回る世界有数の“カフェ都市”になっている。大都市のオフィスワーカーはコーヒーを飲みながら仕事をするのが当たり前になり、スターバックスは今や中国全土に約5400店舗を展開するまでになった。
しかし、これはあくまでも大都市の話で、中国全体で見るとまだまだコーヒー文化は浸透していない。人口1人当たりのコーヒーの年間消費量は、ドイツの901杯、日本の290杯に対して、中国はわずか9杯(易観分析「中国挽きたてコーヒー市場産業発展趨勢白書2021」)。つまり、都市部の中国人はすっかりコーヒーの虜になっているが、地方では99年と変わらない状況なのだ。
しかしこの格差が、世界中のカフェチェーンを惹きつけてもいる。都市部ではわずか20年でコーヒーが浸透したのだから、今後20年をかければ地方でも習慣が根付く可能性がないとはいえない。仮にそうなれば、巨大なコーヒー消費市場が生まれることになる。このポテンシャルに期待して、英コスタコーヒー、香港のパシフィックコーヒー、カナダのティムホートンズ、米ブルーボトルなどが次々と進出している。
中国郵政が「郵便局カフェ」を開業
しかし、「店内でくつろぐ」ことを前提とするサードプレイス型カフェが、すぐに地方市場に進出するのは難しい。そこで、
チャイナ&アジアトレンド の新着記事
-
2024/11/18
不況で飲食店がバタバタ倒れる中国 FC飲食店は急増している理由とは -
2024/10/18
スタバが劣勢、ラッキンも抜く?中国カフェ「コッティ」したたかな戦略とは -
2024/09/21
アマゾンの成長減速の一因がシーイン、Temu の躍進だと言える理由 -
2024/08/15
無料ネイルサロン提供する異色の中国火鍋チェーン、次なる一手 -
2024/07/05
中国でサイゼリヤが絶好調の理由と追いかけるピザハットの戦略 -
2024/06/07
中国、不況反映の消費トレンド「平替」で伸びるブランド、沈むブランド
この連載の一覧はこちら [47記事]
関連記事ランキング
- 2022-05-21第295回 マルエツ、忠実屋、カスミ……幻となった関東8社連合構想とは
- 2022-10-08レギュラーコーヒー市場、1日の飲用杯数は増加傾向、家庭内需要を取り込み好調を継続
- 2023-12-19日本コカ・コーラ副社長金澤博史氏が語る、デュアルブランド戦略でコーヒー市場の活性化をめざす
- 2024-10-18スタバが劣勢、ラッキンも抜く?中国カフェ「コッティ」したたかな戦略とは
- 2022-05-16ウォルマートもコンビニも…米小売業界が植物工場への投資を加速させる理由
- 2022-05-24植物性ヨーグルト市場、健康志向を受けて市場拡大、ユーザー増加に伴いバラエティー豊かに
- 2022-05-24世界で人気の「ブルックリン・ブルワリー」ブランドのパッケージをリニューアル=キリンビール
- 2022-05-25店舗アプリ向けWEBコンテンツ「運を取り込む幸せメニュー占い」提供開始=国分グループ本社