[パリ 17日 ロイター] – 仏高級ブランドグループ、ケリングが17日発表した第4・四半期決算は、売上高(継続事業ベース)が32%増の54億1000万ユーロ(61億4000万ドル)となった。
マーケティング投資と100周年記念プロモーションイベントにより主力ブランド、グッチの人気が高まり、同ブランドの増収率は会社全体とほぼ同じ水準となった。同社は売り上げの60%、利益の約70%をグッチに依存している。
年終盤に新コレクション「アリア」が店頭に並んだことが寄与。リドリー・スコット監督の映画「ハウス・オブ・グッチ」が11月に公開されたことも、ブランドとは直接関係ないものの、デザインの認知度向上に貢献した。
他のブランドも好調。グッチに次ぐブランドであるイブ・サンローランは、既製服と靴の回復により第4・四半期が47%の増収となった。
ジャンマルク・デュプレ最高財務責任者(CFO)は記者団に対し、2020年と21年に値上げした同ブランドについて、今年は「的を絞った方法」で値上げを行うと語った。
また、原材料費や輸送費が上昇するインフレ環境にもかかわらず、グループは収益性を改善し続けることができると確信していると表明。今後もオーガニック成長を追求し、自社ブランドを発展させていくが、企業買収も十分に可能であると述べた。財務状況は非常に健全で、実質的にゼロ債務だと付け加えた。
グッチへの依存度が高いことから、ケリングはポートフォリオを強化するために大規模な買収を検討しているのではないかという憶測が広がっている。