2024年度は増収減益のコープこうべ  再成長のカギに掲げる“生協らしさ”とは?

植芝 千景 (ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者)

25年度の見通しは……

 25年度の業績計画では、全体供給高を2440億円とし、24年度実績から0.8%減を見込む。店舗事業は同0.2%減の1152億円、宅配事業は同0.8%減の1253億円と、いずれも減収を計画している。これは、宅配事業での夏季・冬季の一斉休業や、店舗事業での基幹システム刷新に伴う全店舗休業日数の増加、および店舗数の減少を踏まえたものだ。経常剰余金は20億円で同7億円減となる一方、当期剰余金は食品工場売却益の計上により同29億円増の35億円となる見通しだ。

 他方、コープこうべは24年度も自己資本比率72.1%、有利子負債ゼロと、健全な財務状況を維持している。この強固な財務基盤を背景に、25年度は約30年ぶりとなる基幹システム刷新、宅配センターの新設や既存店の改装など、総額66億円の設備投資を計画する。

 今後もコープこうべは、事業環境の変化に柔軟に対応しつつ、組合員の期待に応えるサービスや地域貢献の強化を推進していく構えだ。協同組合としての本質的な価値を磨き上げることで、持続的な成長と社会的使命の両立をめざす。

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記事執筆者

植芝 千景 / ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者

同志社大学大学院文学研究科(国文学専攻)修士課程修了後、関西のグルメ雑誌編集部を経て、ダイヤモンド・リテイルメディアに入社。関西小売市場やDX領域を中心に取材・執筆を担当している。現在は大阪府在住。

まとまった休日には舞台・映画鑑賞を楽しむほか、那智勝浦へ弾丸旅行に出かけることも。世界各国の家庭料理を再現するのも趣味のひとつだが、料理に入れたスパイスで歯が欠けたので今は控えめに取り組んでいる。

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