2024年度好決算のファミリーマート、新年度に掲げる2つの柱とは

北野 裕子 (ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者)

26年2月期に掲げる2つの柱

 好調で迎えた26年2月期は、どのような施策を展開していくのか。24年2月期までの中計は終了したが、25年2月期は中計を策定せず、単年度計画で事業を進めていくという。その理由について細見社長は、新型コロナウイルスやインバウンド需要の増減など、直近でも事業環境が大きく変化しているとして「(計画に)縛られるのではなく、環境変化に機敏に対応してやっていくことが重要だ」と説明する。

 そのうえで、26年2月期は2つの柱を掲げた。1つ目は中食強化、2つ目はブランディングの強化だ。

2025年3月に大谷翔平選手が「ファミリーマートおむすびアンバサダー」に就任し、キャンペーンも行っている

 中食強化の中心施策には、おにぎりを据える。国内では米の価格高騰が止まらず、安定供給が困難になっているが、ファミリーマートは親会社の伊藤忠商事(東京都)の協力もあり安定供給の見通しが立ったという。一等米を仕入れ、全国に20ある工場に導入した最新鋭の機械で柔らかい食感を実現する。3月には大谷翔平選手が「おむすびアンバサダー」に就任しており、すでにキャンペーンも開始。好評を得て客数の増加につながっているという。

 2つ目の柱に掲げるブランディング強化では、次世代店舗や一部カテゴリーの「クリエイティブディレクター」に、国内外で活躍するクリエイターのNIGO®氏が就任した。デジタルサイネージや次世代マーケティング開発など、幅広い分野で協業予定だという。

 2つの柱以外にも、小型店舗を簡易増床して売場面積を拡大する「アポロ計画」の推進や、3月より「ファミマふるさと納税」、ECサイト「ファミマオンライン」といった新サービスも始まっている。細見社長はこうした取り組みの下で「デジタルとリアルの両面で加盟店収益をしっかりと支える」と語り、25年度について「本業の実力である連結事業利益は900億円をめざす」と目標を掲げた。

 

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記事執筆者

北野 裕子 / ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者

兵庫県出身。新聞社を経てダイヤモンド・リテイルメディアに入社し、ダイヤモンド・チェーンストア編集部に所属。

趣味は国内の海や湖を巡り、風光明媚な場所を探すこと。おすすめのスポットは滋賀県の余呉湖、山口県の角島大橋。

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