[21日 ロイター] – 米医薬・日用品大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は21日、2021年の売上高予想を上方修正した。医療機器部門の回復と乾癬・クローン病治療薬「ステラーラ」などへの需要増加が寄与するという。
ワクチンを含めた通期売上高予想は938億─946億ドル。新型コロナウイルスワクチンの年内の売上高は25億ドル規模になる見込みで、ワクチンを含めない場合の売上高予想は913億─921億ドルとした。従来の予想レンジは906億─916億ドルだった。
コロナワクチンの年内売上高見通しは、接種1回当たり5ドルとしている現在の価格に基づき算出。J&Jは年末までに1回当たり8ドルに引き上げる可能性があるとしている。
ウォーク最高財務責任者(CFO)はこの日、CNBCで今年は5億─6億回分のワクチンを製造する見込みと述べた。当初の目標は10億回分だったが、製造面の問題で達成できなかった。
第2・四半期の医療機器部門の売上高は62.7%増の69億8000万ドル。
第2・四半期のコロナワクチンの売上高は1億6400万ドルだった。
第2・四半期の1株利益は2.48ドル。リフィニティブによるとアナリスト予想平均は2.27ドルだった。
J&J製ワクチンが米国で承認されたのは、ファイザー・ビオンテック製、およびモデルナ製のワクチンのわずか数カ月後。コロナワクチンの年間売上高予想は、ファイザーが260億ドル、モデルナが192億ドルとしており、J&Jは世界的なワクチン競争で出遅れている。
ただアナリストは、J&Jのコロナワクチンに対する需要低迷で業績全体に影響は及ばないと指摘。追加接種(ブースター)が必要になれば、ワクチン製造会社の売上高が押し上げられるとの見方を示した。
ウォークCFOはアナリストとの会合で「追加接種の必要性のほか、新たなコロナ変異株を巡る先行き不透明性が高いため、来年のコロナワクチン情勢を巡る具体的な情報を提供するのは時期尚早」と指摘。このほど公表された実験結果に言及し、J&Jのワクチンは感染が拡大している変異株に対しても少なくとも8カ月間、効果を発揮するとみられていると述べた。