アルファベット、第1四半期は過去最高益更新 自社株買い500億ドル計画
[27日 ロイター] – 米グーグルの持ち株会社アルファベットが27日発表した第1・四半期決算は、売上高が市場予想を上回り、純利益は2四半期連続で過去最高を更新した。消費者の活発なネット利用と好調な広告事業が寄与した。500億ドルの自社株買い計画も発表した。
ただ、同社幹部は、新型コロナウイルス禍のオンライン利用と広告販売の急増について、対面の活動が再開するのに伴い鈍化する可能性があるとの認識を示唆した。
引け後の時間外取引で、アルファベットの株価は約4.3%高の2390.10ドルとなった。
純利益は162%増の179億ドルと、前期の152億ドルを上回り過去最高益を更新。1株当たり利益は26.29ドルで、市場予想の15.88ドルを上回った。ただ、ベンチャーキャピタル投資の未実現利益やデータセンター設備の減価償却の修正が利益のうち40億ドル近くを占めた。
売上高は前年同期比34%増の553億ドルで、リフィニティブがまとめたアナリスト予想の517億ドル(26%増)を上回った。1月のウエアラブル端末メーカー、フィットビットの買収による寄与があったが、額は明らかになっていない。
広告事業の売上高は32%増加し、市場予想を上回った。クラウド事業の売上高も45.7%増で、予想と一致した。
ルース・ポラット最高財務責任者(CFO)はアナリストとの電話会見で「消費者行動や広告支出のこれまでの変化がどれだけ持続するかを予測するのは時期尚早だ」と述べた。
人材の確保や訴訟関連費用、施設の増設などのコストが再び増加し始めているものの、営業利益率は2015年のアルファベット設立以降で初めて30%に達した。
自社株買い枠は2019年発表の250億ドルに続き設定。ジェフリーズのアナリストの試算によると、アルファベットは現時点で、560億ドルを自社株買いに充てる余地がある。
小売やテクノロジー業の広告好調
同四半期に広告事業収入は全体の売上高の81%を占めた。
フィリップ・シンドラー最高事業責任者(CBO)は、小売やテクノロジー、消費財といった業種が検索広告の主要な広告主だったと説明。
ポラットCFOとシンドラーCBOはともに、コロナ前の主要な広告主だった旅行などの業種の広告支出が回復しているかどうかについてコメントを控えた。
クラウド事業の営業損益は9億7400万ドルの赤字と、赤字幅が44%縮小した。ただ、ポラットCFOはアナリストに対し、減価償却などの一時的な要因が大きかったとして、深読みしないよう呼び掛けた。
グーグルはプライバシーや反トラスト法(独占禁止法)関連の複数の訴訟に直面しているが、決着するまでには数年単位の長い時間がかかるとみられる。