イオンモール21年2月期上期決算、大幅減益となるも営業利益は約1260億円確保、回復基調に
集客戦略は「地域密着」と「安心」
第2四半期、イオンモールは“地域マーケットに対応した取り組み”に力を注いだ。その一環として、19年3月にリリースした「イオンモールメンバーズアプリ」を6月にリニューアル。今までに約150万回ダウンロードされていた同アプリは、リニューアル後20~30万/月ペースでユーザーを増やしている。リニューアルの狙いは、ユーザビリティの向上はもちろん、それまで本社主導で全国一律に行っていた販促から、地域それぞれのニーズに応じた販促へ移行することだ。また、地域の利便性を高める取り組みとして、12月7日に予定されている「イオンモール宇城」(熊本県宇城市)内への行政機能移転がある。宇城市役所の支所がモール内にそのまま移転するもので、全国初のケースとなる。
新型コロナウイルス対策にも力を入れた。消毒・入館時検温・パーテーション設置などの基本的な対策はもちろん、特に人の集まりやすいフードコートには、ウイルス除去に効果があるとされる換気設備や空気清浄機の配置を行うことで、安心して来店してもらうための環境を整えた。今後は、広い敷地を生かしたオープンエアの飲食・イベントエリアの形成など、感染リスクの低い屋外施設の整備を推進する。
新規出店計画は修正
出店戦略に関しては、2020年度当初の計画では国内2店舗、アセアン3店舗を新規出店する予定だったが、新型コロナウイルスの影響を受けて国内1店舗、アセアン2店舗の新規出店に計画を修正した。
もともと年内開業予定だった「イオンモール新利府 南館」(宮城県宮城郡)は21年度へオープンを延期した。「イオンモール上尾」(埼玉県上尾市)が20年度唯一の国内新規出店となるが、開業時期は未定。年内開業をめざす。「イオンモール上尾」は従来よりもコンパクトな造りで、気軽に普段使いしてもらえる総合スーパーとしての立ち位置を獲得することが狙い。