全国コアCPI、5月は前年比-0.2%、ガソリンなど下落幅拡大
[東京 19日 ロイター] – 総務省が19日に発表した5月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く、コアCPI)は101.6となり、前年同月比0.2%低下した。低下は2カ月連続で、マイナス幅は前月と同じだった。原油安によるガソリン価格の下落などでエネルギー価格が大幅に下押しされたことが影響した。
ガソリン・灯油の下落幅拡大、宿泊料持ち直すも低調
原油安が続いたことでエネルギーは前年同月比6.7%下落。電気代や都市ガス代は持ち直しの動きが見られたが、ガソリンは同16.4%下落し、2016年3月以来の大幅な下げとなった。灯油も同16.5%下落し、マイナス幅が拡大した。
5月中旬以降、緊急事態宣言は徐々に解除されたが、県境をまたぐ移動や海外渡航は制限が続き、宿泊料(同4.0%下落)、外国パック旅行費(同6.2%下落)などの下落が目立った。
一方、上昇に寄与したのは食料(同2.1%上昇)。人手不足や原材料費の高騰を背景に、外食は同2.6%上昇した。生鮮果物は同6.7%上昇。昨年の台風の影響で品薄状態が続くリンゴの価格が上昇。産地のフィリピンで新型コロナウイルスの感染が拡大し、物流が停滞したバナナも価格が上がった。
高速自動車国道料金を含む交通は同3.7%上昇。移動制限の一環で、大型連休中のETC割引料金が適用されなかったことが上昇につながった。
総合指数は101.8で、同0.1%上昇。生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数は102.0で、同0.4%上昇だった。
総務省の担当者は「身近な食料品や日用品は、去年より値上がりしているものはある」と指摘した上で「影響の大きい宿泊、ガソリンなど一部の品目の価格が下がっている」と説明。
今後、原油安の影響が遅れて反映される電気代、ガス代は下落傾向が続く可能性もあると予想される。先行きについて「新型コロナの影響はいろんなチャネルでいろんな影響を与えるので、全体がどうなるかは引き続き注意深くみていきたい」と述べた。