イズミ、中間決算は増収・営業増益も客数に課題 下期の巻き返し策の中身は
イズミ(広島県/町田繁樹社長)の2026年2月期の中間決算は、昨年発生したシステム障害の反動などにより増収・営業増益だった。ただ、単体の客数・客単価は伸び悩み、営業収益・各段階利益はいずれも計画を下回った。この結果を受け、同社は26年2月期の業績予想を下方修正した。

増収増益も客数の伸び悩みが課題に
イズミの2026年2月期第2四半期の連結業績は、営業収益が2810億円(対前年同期比17.8%増)、営業利益が126億円(同5.1%増)、経常利益が126億円(同1.8%増)、親会社株主に帰属する中間純利益が80億円(同1.5%減)だった。
営業収益はサニー事業の継承に伴う店舗数増加や、昨年発生したシステム障害の反動による販売増が寄与して大きく伸長した。販売費および一般管理費(販管費)は、サニー事業継承に伴う人件費や賃借料の上昇により増加したが、計画内に収まったことで営業利益も増益となった。
単体では、営業収益が1878億円(同3.5%増)、営業利益が101億円(同1.9%減)だった。増収とはなったものの客数の伸び悩みにより計画値には届かず、営業減益となった。町田社長は「われわれが思っていた以上にお客さまの生活防衛意識が高まったことに加え、ランサムウエア被害により価格対応が遅れてしまったことが影響した」と説明した。

単体の部門別売上高をみると、「食料品」は「全力応援値下げ」などの低価格施策の効果により同5.3%増と堅調に推移した。一方、「ライフスタイル」は節約志向の高まりに加え、春先の気温低下や夏の猛暑の影響で同0.4%減となった。上期累計の売上総利益は「食料品」が同0.3ポイント上昇、「ライフスタイル」が前年同期並みで推移した。町田社長は「スーパーマーケットは比較的堅調だったが、ライフスタイル部門の構成比が高い総合スーパーで苦戦を強いられた」と述べた。
なお、単体の既存店売上高は、第1四半期が同5.9%増で好調な滑り出しをみせたものの、第2四半期は価格対応に苦戦し同1.8%増とややペースダウン。上期累計では同3.7%増となった。
下期は価格訴求と既存店活性化で巻き返しへ
上期の結果を受け、イズミは同日、26年2月期通期業績計画の下方修正を発表。営業収益が5703億円(同8.8%増)、営業利益が264億円(同2.6%増)、経常利益が261億円(同0.3%増)、当期純利益が152億円(同23.5%増)としている。
巻き返しを図る下期の事業戦略としては、まず「食料品」で価格訴求を強化する方針。すでに9月1日から食料品や日用品100品目を特別価格で販売する「強烈特価厳選100」を開始している。さらに、9月より投入したグループ初の統一プライベートブランド「ゆめイチ」シリーズのうち、低価格ライン「ゆめイチプライス」の販売拡大に注力する。
一方、課題の「ライフスタイル」では、商品の共同仕入・共同開発を担う日本流通産業(大阪府/大桑弘嗣社長)と連携し、低価格帯商品の販売強化や商品の共同開発に取り組む。そのほか、店頭での売り込みやターゲット層の見直しを進めるなどして客数の増加をめざす。
出店戦略においては、新規テナントの導入や売場面積の最適化を通じて既存店の活性化を進める。スクラップ&ビルド(S&B)による店舗のリニューアルにも取り組む。9月には「ゆめマート曽根店」(福岡県北九州市)をS&Bしたほか、「ゆめタウン福山」(広島県福山市)の活性化を実施。10月中には「ゆめタウン呉店レクレ館」(広島県呉市)の新規オープンもひかえている。






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