オーガニック生産者の結集なるか? イオンが描く市場拡大の仕組みとは

2019/10/25 06:28
    宮川耕平(日本食糧新聞社)
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    オーガニック食品の課題を市場原理から要約すると、ポイントは「ニッチから抜け出せない」ことにありそうです。
    ニッチであるがために、高いから売れない・鮮度が劣化・見切りロス発生・売場を維持できない・種類を増やせない・生産者が増えない・流通が少量で非効率・価格が高くなる、といったループを抜け出せずにいます。
    しかし野菜をはじめとするオーガニック市場のポテンシャルは魅力的です。オーガニックには多くの人が共感できる価値が間違いなくあります。ニッチのループから脱却する方法はあるのでしょうか?

    全国のグループ店頭でオーガニック売場を拡大
    全国のグループ店頭でオーガニック売場を拡大

    イオンオーガニックアライアンス、始動

     イオングループの農業法人「イオンアグリ創造」は、09年から農業を始め、オーガニック野菜の生産量を増やしてきました。全国21ヵ所の直営農場の中には有機栽培に特化したところもあります。同社の福永庸明社長は、自社の生産量だけでなく有機栽培農家を増やしたいと言います。

     「ニッチな世界のままでは、有機栽培は持続可能な農業にならない。生産者の輪を広げたい」(福永社長)

     そんな課題意識のもと、イオングループが新たに設けた枠組みが「イオンオーガニックアライアンス」です。生産・物流・販売の3段回それぞれの課題に、独自の方法でアプローチするものです。19年10月にスタートした仕組みのねらいを整理します。

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