ドラッグストア市場は8兆5408億円へ!コロナ禍の中でも出店意欲は衰えず
調剤が成長をけん引
日本チェーンドラッグストア協会(以下、JACDS)の『2021年度版業界推計 日本のドラッグストア実態調査(速報版)』によると、21年度のDgSの全国売上高(推定値)は対前年度比6.3%増の8兆5408億円となった(図表①)。16年度は5.9%増、17年度は5.5%増、18年度は6.2%増、19年度は5.7%増、20年度は4.6%増であり、この6年でいちばんの伸び率を示した。なお、21年度の調査対象企業数は382社で、DgS企業数は減り続けている。
調査開始の00年度に1万1787店舗あった店舗数は、18年度には2万店舗を突破。21年度は2万1725店舗となった(図表②)。
1店舗当たり売上高は12年度から減少傾向が続いていたが、16年度からプラスに転じ、21年度は3億9313万円となって過去最高を更新した(図表③)。
店舗の規模別推定店舗数については、「150坪以上300坪未満」が全体の46.0%を占め、「300坪以上」19.2%、「60坪以上150坪未満」19.2%、「30坪未満」8.6%、「30坪以上60坪未満」7.2%と続く。JACDSは「店舗数、店舗規模に関しては狭小商圏化が一段と進み、全体としての規模拡大は調査開始以来続いている。(中略)取扱カテゴリーの増加によるものと思われる店舗の大型化も傾向として継続している」と分析している(JACDS『ドラッグストア業界研究レポート 2022年前期』)。
『2021年度版業界推計 日本のドラッグストア実態調査(速報版)』とJACDS『ドラッグストアにおける調剤の動向(2021年度JACDS実態調査結果から)』をもとに商品別売上高構成比を算出すると、「ヘスルケア」が18.2%(1兆5571億円:対前年度比6.3%増)、「調剤」が13.7%(1兆1738億円:同9.8%増)、「ビューティケア」が18.1%(1兆5477億円:同0.8%減)、「ホームケア」が22.2%(1兆8967億円:同8.7%増)、「フーズ・その他」が27.7%(2兆3655億円:同7.7%増)となっている。伸び率のトップは「調剤」で、DgS市場の拡大をけん引していることがわかる。