ネスレ、21年決算は予想超え 22年も営業利益率維持へ
[チューリヒ 17日 ロイター] – スイスの食品大手ネスレが17日発表した2021年決算は、為替変動や買収などの影響を除いたオーガニック売上高の伸びと利益が予想を上回った。22年については、コスト圧力が高まる中でも営業利益率を維持するとの見通しを示した。
21年通年の純利益は38.2%増の169億フラン(183億4000万ドル)。年間配当は1株当たり2.80フランとした。20年は2.75フランだった。
オーガニック売上高の伸びは、21年第4・四半期が7.2%、21年通年では7.5%で、予想を上回った。22年については約5%に鈍化すると予想した。
ネスレは21年第4・四半期に製品価格を3.1%引き上げた。第3・四半期の値上げ幅は2.1%だった。
マーク・シュナイダー最高経営責任者(CEO)は電話会見で、22年の投入コストは21年以上に上昇すると考えるのが確かな想定だとし、同社の製品価格にも反映せざるを得ないと発言。
現時点でインフレの影響を受けていない同社の事業はほとんどないとし、ヘッジできるものもあればできないものもあると述べた。
同社は基礎となる資産ベースでの営業利益率について、22年は17.0─17.5%になるとし、21年の17.4%とほぼ同水準を維持すると見込んだ。
コーヒーやペットフード、健康食品の需要が堅調で、業績の伸びにつながっている。
シュナイダーCEOは、新型コロナウイルス流行に伴う自宅中心の生活スタイルへの変化が背景にあると指摘。感染収束に伴いこうした需要の一部は減るだろうが、残るものもあると語った。
CEOはベビーフード事業について、中国市場で約20億フランの減損費用を計上することになったものの、引き続き力を入れると強調した。
22年の滑り出しは良好だとし、オーガニック売上高の伸びは「1桁台半ばから2桁の伸びを持続できる状況にある」と語った。
また、企業買収にはオープンだが、規律を重視するとも述べた。