「第3回サステナブル・リテイリング表彰」ファミリーマート、コープさっぽろ、寺岡精工が受賞!
寺岡精工の小売企業向けにペットボトル回収機「ボトルスカッシュ」
食品小売企業と連携した施策として高い評価を得て「資源循環賞」を受賞したのは、寺岡精工の「店舗と消費者が連携するペットボトルの資源循環」だ。
寺岡精工は、17年から主に小売企業向けにペットボトル回収機「ボトルスカッシュ」シリーズを製造・販売している。24年6月末時点で全国の小売店を中心に4378台が稼働し、23年末までに累計で約3億3000万本、総重量8800トン以上のペットボトルが回収されている。
同社は、日本国内のコンビニエンスストアやドラッグストアなど、設置スペースが限られた店舗に対応できる小型回収機を開発した。応募担当者は「回収機を小型化したことで、従来設置が難しかった小規模店舗にも対応でき、消費者にとってもリサイクルがより身近なものになった」とコメントする。
店頭にペットボトル回収機を設置するだけでなく、回収されたペットボトルをリサイクル業者へ運搬し、新たなボトルに生まれ変わる「ボトルtoボトル」のリサイクルスキームを構築した。「ボトルスカッシュ」は、小売企業側の用途に合わせて、ポイント付与やクーポン券発行などの機能を搭載することができる。ユニバーサルデザインを採用し、誰でも簡単に利用できる仕組みを整えている点も特徴的だ。
寺岡精工は「Grow with Green」を社会課題解決のテーマに掲げ、環境問題解決に貢献するとともに企業の成長をめざしている。今回のペットボトル回収機のほかにも、廃棄物削減を目的とした廃棄物を計量し管理するシステムの「環境Navi」や店頭にマイボトルを持参して給水することでプラスチックの使用量を抑える自動給水機の「ECOA」など、環境に配慮した製品を開発し、今回の表彰施策以外でも持続可能な社会の実現に貢献している点が特徴だ。
宮川宏氏(専修大学経営学部准教授)は「製造と小売が連携することで、循環経済が実現できる好事例であり、消費者にメリットがある。小売企業側が消費者を巻き込んで、回収から水平リサイクルをしている点が評価できる」とコメントした。