ローカルスーパー生き残りの一手!オギノHDが青果卸買収のねらい
山梨県を中心にスーパーマーケット(SM)を展開するオギノ(山梨県/荻野寛二社長)の持ち株会社、オギノホールディングス(山梨県/荻野雄二社長:以下、オギノHD)は地元の青果卸である甲府青果(山梨県)を2023年11月に買収し、完全子会社化した。このM&A(合併・買収)のねらいは何か。今後はどんな事業展開を考えているのか。両社の社長に聞いた。
人口減の商勢圏で青果の安定調達を
オギノは山梨県を中心に長野県、静岡県にSMやファミリーファッション専門店など47店を展開するローカルチェーン。県別の展開店舗数は山梨県が35店、長野県7店、静岡県5店となっている。
一方の甲府青果は、全国から集荷した青果物をSMなど小売店に届ける青果物卸売業。青果物の取扱数量は年間約3万トン。従業員数は約140人。1906年に遠藤商店として個人創業し、51年に株式会社化、2010年に現社名に改称した。
オギノなど3社を傘下に従えていたオギノHDは23年11月1日付で甲府青果の全発行済み株式を取得し、完全子会社化した。同日付でオギノHDの取締役で商品戦略部総括マネジャーの五味良夫氏が甲府青果の社長に就任、オギノHDの荻野雄二社長も取締役に、遠藤一郎氏が会長に就いている。
オギノにとって甲府青果は、祖業の服地専門店から食品事業に参入した約50年前に青果の商品調達を担って以来、取引を継続している関係の深い青果卸。甲府青果側の事業継承の問題もあり、買収に踏み切ったかたちだ。
オギノの専務取締役営業本部長も兼務する荻野雄二オギノHD社長は、甲府青果の完全子会社化について、「山梨県内ではどこにも負けない青果の調達・販売力を手にすることができた」と話す。
オギノは商品調達の拠点として、
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