パンなのに賞味期限35日超!ロングライフブレッド、市場拡大の理由
ロングライフの強みを生かし販路を広げる
敷島製パンのロングライフブレッドシリーズは現在、食品スーパーをはじめとした量販店、小売各社の店頭でも取り扱われている。
販売を担う小売業としては、賞味期限の短い日配品に比べ、ロングライフブレッドは管理がしやすいというメリットがある。コロナ禍以降は、家庭内における食料品のストックニーズが拡大したことも追い風となって需要が大きく伸び、現在も継続的に取り扱う小売業が多いという。
また、パン市場の喫食傾向として、従来の「毎日食べる」という消費スタイルに加えて、最近はZ世代を中心に「ストックしておいて、食べたいときに食べる」というスタイルも定着しつつある。多様な世代、ライフスタイル、趣向に対応する商品として、ロングライフブレッドが注目されている。
さらにその賞味期限の長さから、自販機での販売、また、「楽天市場」や「Amazon」、敷島製パン運営のオンラインショップ「パスコのオンラインショップ」など、ECの展開が可能になっている。直営オンラインショップではさまざまなアイテムを詰め合わせた「お試しセット」の人気が高く、リピート購入も伸びているという。
社会課題にも対応 市場はさらに拡大へ
食品ロス対策の推進や健康訴求商品の伸長に伴い、今後、ロングライフ食品の市場は拡大していくことが予測される。
消費期限の短い日配品などは毎日製造して、配送・販売するため、製販プロセスに大きな負荷がかかっている。購入した消費者にとっても、日配はフレッシュなものを食べることができるというメリットがある一方で、「早く食べなければいけない」という“負荷”があることも否めない。ロングライフブレッドをはじめとしすたロングライフ商品は、コロナのような予測不能な事態においても、まとめて製造・配送し、販売・管理ができるという利点があるため、トラック運転手が不足する「物流2024年問題」などの解決の一助にもなり得る商材と言える。
同社内でも注目が高まっているロングライフシリーズは、今後も新製品の投入を続けながら、SDGsや防災にも役立つ商材として、おいしさと安心を両立した商品を展開していくとしている。