クッキーカッター方式の出店戦略

桜井 多恵子(チェーンストア経営システムコンサルタント)
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最良の方法を決めて複製し生産性を高める

 これからスタートするディスカウンティングフォーマットは、既存フォーマットの再構築型でも、新たに開発したニューフォーマットでも、クッキーカッター方式の完全標準化をめざさねばならない。それがチェーンストア経営システムの要だからだ。

経営 イメージ
(i-stock/metamorworks)

 テーマが何であろうと最良の方法は1つしかない。だから最良を突き詰めたならば、それと同じにすることこそ合理的である。そうすることで皆、最良の状態にできるのだ。

 星形のクッキーカッターでクッキー生地をくり抜き、同じかたちのクッキーを製造する様子を想像してほしい。優れた型さえあればその型を使って大量生産することができる。それが生産性を高めることにつながるとわかるはずだ。実際に製造業はこの手法で商品を製造しているから優れたものを大量に生産できる。それが人の手づくりと根本的に異なる点である。

 多店化する際に、たまたま遭遇した立地特性に合わせてその都度最良を模索すると、膨大な人件費コストと時間がかかる。この手法は商品の製造なら手づくりと同じで効率が悪い。

 一方、店舗も設備も品揃えも物流システムも、業務・作業システムさえ最良の方法を決めてあれば

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