100万アイテムを揃えるホームデポが、SEO対策でキーワードを集めた画期的な方法とは
100万を超える品揃え、膨大なキーワード
なぜなのか、を説明する前に、少しホームデポについて記しておきたい。
ホームデポは、全米(プエルトリコ、米領バージン諸島を含む)、カナダ、メキシコなどに約2300店舗を展開するホームセンター企業である。平均売場面積は、約9500㎡(+ガーデン売場約2000㎡)で、ここに4万アイテムを揃える。それに加えてネット販売では、約100万アイテムを展開すると言われている。
ホームデポが扱う商材は、家電(Appliances)、バス(Bath)、建築資材(Building Materials)、装飾(Decor)、ドアと窓(Doors & Windows)、電気(Electrical)、フローリング(Flooring)、キッチン(Kitchen)、照明&天井ファン(Lighting & Ceiling Fans)、木材&複合材(Lumber & Composites)、アウトドア(Outdoors)、ペンキ(Paint)、配管(Plumbing)、ストレージ&オーガニゼーション(Storage & Organization)道具&ハードウエア(Tools & Hardware)――と実に幅広い。
しかも、それらの商品をDIY(Do it yourself:購入して自分で取り付け)はもちろん、BIY(Buy it yourself:購入して取り付けは業者)やSIY(Supervise it yourself:商品選択も取り付けも業者)など多岐にわたる手法で販売している。
つまり、これらを組み合わせた商品や工事を含むサービスがホームデポの売り物であり、それぞれのカテゴリーや商品を浮かび上がらせる「キーワード」は莫大な量に上り、それらを設定するには、大変な労力を要してしまうことがわかる。
たとえば、「自宅の床をタイルに張り替え、床暖房を入れる」という工事をしたいお客を想定した場合は、「床 タイル 床暖房」の「キーワード」くらいはすぐに思いつくかもしれない。しかし、実際のお客は、想定内に収まるほど単純ではない。
逆に可能な限り、お客を先回りする「キーワード」を用意しておけば、ECでは同業他社に対して優位性を保てる。
「赤壁の戦い」思い出させる、
ホームデポのキーワード収集方法
ではホームデポはいったい、いかにして「キーワード」を集めたのか?
実は、同社のホームページ(HP)内に検索エンジンを設けただけだった。いまとなっては当たり前のことかもしれない。
HP内の検索エンジンの活用でお客は、自分が必要とする商品を比較的簡単に探し出すことができるようになる。
一方のホームデポは、HP内の検索エンジンを「キーワード」の収集に使った。
結果として、自動的に辞書ができ上がるという寸法だ。
まさに一石二鳥である。
そして、集めた単語集の中で、もっとも利用頻度の高いワードから順に並べ替え、「キーワード」に引っ掛かるようなURLサイトをつくり、それをグーグルやヤフーのような検索エンジンのSEOを活用することで上位に浮上させている。