地域No.1でも油断は禁物! 売上1000億円規模のローカルチェーンが勝ち残るための戦略
人口減少エリアで勝ち残るスーパーマーケットの条件について考察する本連載。第2回では、売上高1000億円前後のスーパーマーケット企業が今後とるべき戦略について考えてみましょう。
「おいしさ」のリーダーになる!
売上規模1000億円前後のスーパーマーケット企業は、地方エリアにおいては圧倒的な力を持っているチェーンと言えます。大都市圏における売上高2000~3000億円クラスに匹敵する存在感があるところがほとんどかと思います。
この規模のチェーンは、今後3年間はそのままでも現在のポジションを確保することができるでしょう。なぜなら、そのエリアでNo.1のシェアと基礎体力を持っているからです。
ただし、安心はできません。近頃は、ドラッグストアのドミナント大量出店、大手ディスカウントストアの進出のほか、イオン(千葉県)やセブン&アイ・ホールディングス(東京都)グループをはじめとした大手流通グループもローカルエリアには存在しており、大きな脅威となっています。「これだけの規模があれば大丈夫」「自店の近くに競合店が新規出店しても、まだ負けない」と油断した瞬間からシェアを奪われていくことでしょう。
では、そうした脅威に対応するには、どうしたらよいのでしょうか。エリア内ではNo.1のシェア(力)を持っている企業ですので、自社の強みは十分に理解されていることかと思います。重要なのは、その強みをいかにブラッシュアップしていくかという点です。
ある場面においては、そのエリアにおけるプライスリーダーとなることもできます。それにとどまることなく、品揃えや品質、安全安心、さらには「おいしさ」のリーダーになることも可能でしょう(当然、すでにできている企業も多く存在します)。
「おいしさ」のリーダーになる上で重要なのは、「おいしさ」のお客さま満足度をどこまで上げられるかという点です。この満足度によって、お店はお客さまに①「信用されるお店(過去の実績)」、②「信頼されるお店(未来の行動を信じる)」、③「愛されるお店(人がお店に人を呼ぶ)」へと変化していきます。当然、この「おいしい」とは、総菜部門のことだけではなく、「商品が新鮮」「テレビCM商品の導入が早い」など全部門について言えることです。店舗や部門の責任者であれば、やるべきことは明確にはわかっているはずですので、あとは実行あるのみです。