日常の取り込みと個店経営……第二創業で目指す「無印良品」売上3兆円への青写真とは
採用・育成を強化し、各店舗の自立を促す
もちろん、その実現にはあらゆる面でより高い水準が求められる。同社はまず、最優先課題として「採用・育成の強化」をあげている。「地域に密着して地域を活性化する、そういう会社になろうということは、ひとりひとりが自立的に自発的に正しいと思うことをちゃんと見極めて行動してしっかりと価値を出せる会社にならなければならない。人材・組織のプロ化が必要だ」と堂前社長は、社員個々さらに各店舗の自立の必要性を力説した。
西友のプライベートブランド(PB)からスタートし、破竹の快進撃で成長をみせ2000年前後には赤字転落。その後、松井忠三社長のもとでV字回復を遂げ「ブランドのないブランド」として確固たる地位を築き上げた同社。ここまで消費者へインパクトを与え続けて前進を続けてきたが、新社長のもと「第二創業」で目指すのは「社会へのインパクト」。モノを売るだけの小売から、その先の消費者の生活まで包括的にケアし、より良い暮らしをサポートする。
テクノロジーを最大限に活用し極限まで効率化する「無人店舗」を小売をひとつの究極形とするなら、その対極といえる「公益人本主義」で、同社は3兆円という大目標を真摯に追求していく。