米アマゾンが従業員の時給を最大2500円に大幅値上げ、10万円超の入社一時金を用意する理由は?

小久保 重信(ニューズフロント記者)
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ベゾス会長「地球上で最高の雇用主に」

 創業者のジェフ・ベゾス会長は21年4月、CEO(最高経営責任者)として最後の年次書簡を公開し、「地球上で最も顧客第一主義の企業」という従来の目標に加え、「地球上で最高の雇用主」と「地球上で最も安全な職場」を目指すと表明した。

Amazon.comの求人案内サイト(画像:アマゾンのウェブサイトより)

 こうした中、同社は福利厚生の拡充を図っている。21年9月には、米国従業員の教育・技能訓練支援に25年までに12億ドル(約1330億円)を投じると明らかにした。自社の「キャリアチョイス(職業選択)」プログラムを通じ、約75万人の時間給労働者を対象に大学授業料などの教育費を全額支払う。

経営破綻した百貨店ビル取得、第2本社計画も

 雇用拡大に伴いオフィスの拡張も進めている。20年には米連邦破産法11条の適用を申請して経営破綻した老舗百貨店ロード・アンド・テイラーのマンハッタンのビルを9億7800万ドル(約1090億円)で取得した。総面積約5万8500平方メートル(東京ドーム約1.3個分)のオフィス空間に転換する。

 21年2月には、米バージニア州アーリントンで開発を進めている第2本社(HQ2)の第2工期計画案を公開した。ここに3棟の22階建てオフィスビルと約107メートルのオフィスタワーを建設する計画。これとは別に2棟の22階建てオフィスビルを建設中。これらアーリントン地域で今後10年間に2万5000人を雇用し、25億ドル(約2800億円)を投資する計画だ。

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