SHEINの秘密、「多品種少量生産」を可能にする広東スマートサプライチェーン網とは?

菊谷 信宏(glotech-trends)
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ソフトバンクグループも中国発D2Cブランドに出資!

 最後に、2021年8月17日にソフトバンクグループ傘下の巨大投資ファンド、ソフトバンク・ビジョン・ファンド2が中国D2C子供服ファッションブランドであるPatPat (パットパット)に1億6000万ドル(約176億円)の投資を行ったことも紹介しておきたい。

 ソフトバンクグループ社長の孫正義氏は8月中旬の決算発表で中国の地政学的リスクの高まりを懸念し、中国企業への新規投資は控える趣旨の発言をしているが、そのわずか数日後にパットパットへの巨額投資を発表し、中国国内を騒然とさせた。先見の明のある孫正義氏が、リスクを考慮しても投資にゴーサインを出すほど魅力的な企業がパットパットだったというわけである。ちなみにパットパットは中国D2C領域でシーインと比肩するほど有名な企業である。

 紹介しきれていない部分も多いが、シーインのビジネスモデルが従来のファストファッションの延長線上に位置するものではないことがおぼろげながらご理解いただけたのではないだろうか。シーインは世界のファッション工場という地の利を生かした独自のサプライチェーンと先端テクノロジーをフル活用し、多品種少量生産による余剰在庫ゼロという究極の目標に挑戦するテクノロジー企業であり、ファッション業界の未来像を探る上で今後も要注目の企業なのである。

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