コロナ禍なのに好調なアパレル「ミズイロインド」、異色のブランド戦略

堀尾大悟
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ワンサイズ展開、カラーもあえて限定

ミズイロインド神戸店
ミズイロインド 神戸店の店内

 もうひとつ、ミズイロインドのユニークな特徴は、アイテムのサイズとカラーにある。パンツなど一部を除いて、ほとんどがワンサイズのみの展開だ。

 デザインごとのカラー展開もブラックやネイビー、グレーといったベーシックな24色に限定されている。サイズ・カラーともに絞られているのだ。

 在庫管理をしやすくするためか、それともECでのコンバージョン率を高めるためにサイズやカラーをあえて少なくしているのだろうか……

 「たまたまECにフィットした側面はあると思いますが、決して狙ってそうしたわけではありません。私たちが作りたい服は『年齢、サイズ、シーンを問わない服』。そこは創業以来一貫しています。それを追求した結果、サイズやカラー展開が少ないのです。またサステナブルの観点からも、在庫を抑えたいと考えています」(同)

 もともと別のアパレルメーカーでマーチャンダイジングを担っていた笹野氏。「若い頃から年齢でファッションを語ったり服を作ることに違和感をおぼえていました」と言う。

 「『年齢ターゲットなんて意味あるんですか?』みたいな口をきいては、先輩から『お前はマーケティングのことがわかっているのか!』と怒られていました(笑)」(同)

 2003年、同僚だったデザイナーの川原みな子氏を誘い、マザーズインダストリーを創業。翌2004年に川原氏のデザインによる「mizuiro ind」を立ち上げた。

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