6年間で人時生産性が約2割も向上!関西スーパー流プロセスセンター活用術
関西スーパーマーケット(兵庫県/福谷耕治社長:以下、関西スーパー)は、3年前から総菜と青果部門においてプロセスセンター(PC)を活用している。同社は今もインストア加工を重視する企業だが、どのような方針のもとPCを活用し、どんな成果を上げているのか。その取り組み、ねらい、成果などをレポートする。
3つのテーマ掲げた中計
関西スーパーは2018年9月、神戸市北区にPC「神戸赤松台センター」を稼働した。中国自動車道「神戸三田インターチェンジ」から南500mに位置し、各店へスムーズに配送できる適地にある。
施設は鉄骨造3階建て、延べ床面積は3933㎡。1階は炊飯・米飯製品を製造する「神戸セントラルキッチン」、3階は野菜や果物の加工を行う「神戸プロセスセンター」。なお2階には、社内教育用の見学者通路を設けた。
同センターから日々、全店に対し総菜、および青果部門向けの製品、半加工品を配送している。運営は同社100%出資子会社のKSP(兵庫県/玉村隆司社長)が担当。従業員は社員4人を含む計9人で、うち3人が品質管理に従事する。実際に作業しているのは委託先企業のスタッフで、神戸CKが120~130人、神戸PCは約100人。
あらためて関西スーパーについて紹介すると、兵庫県伊丹市に本部を構え、兵庫県、大阪府、奈良県に合計64店(21年7月現在)を展開する。21年3月期の営業収益(連結)は1309億4000万円(対前期比3.8%増)。近年は既存店を改装しながら着実に事業を拡大している。
19年3月期からは「健康経営」「生産性向上」「教育」という3つのテーマを掲げた中期経営計画に取り組んだ。神戸市のPCはその初年度に開設しており、生産性向上に大きく寄与するとみられる。
一方で、同社は長年、SM業界のお手本となったバックヤードシステムとオペレーションシステムを武器に「インストア加工」を重視する店舗運営を行っていることで知られ、PC導入はその基本方針に反するように思える。競争が激化するなか、考え方を大きく転換したのだろうか。
そんな疑問を、KSPの下芝一造取締役(製造部長)にぶつけると、次の答えが返ってきた。
経営課題を解決する プロセスセンター新時代! の新着記事
-
2021/08/05
手直し不要革命!日本キャリア工業が放つ、大ヒットAtoZ専用の自動盛り付け機とは -
2021/08/04
SMの鮮魚改革はプロセスセンターだけじゃない!部位別納品を手掛ける水産メーカーを活用せよ -
2021/08/04
プロセスセンターの自動化進む なんつねの自動盛り付け機、スコーピオンの実力とは -
2021/08/03
総菜業界唯一の製造小売業ヒライ 出来立て・美味しさ・長持ちを実現するために工場で行うこと -
2021/08/03
製造小売業へ舵を切る!中国地方のスーパー、フレスタのプロセスセンター戦略の全貌 -
2021/08/02
鮮魚PC比率100%の店も!店内加工よりも高品質の商品を製造、丸久のプロセスセンター戦略
この特集の一覧はこちら [17記事]
関西スーパーマーケットの記事ランキング
- 2021-08-31H2Oリテイリングが関西スーパーを子会社化 傘下のイズミヤ、阪急オアシスと統合
- 2022-02-02関西最大のスーパー企業誕生!関西フードマーケットの林克弘社長が語る事業展望とは
- 2023-01-19阪急オアシス、イズミヤを吸収合併へ! H2Oが描くスーパーマーケット戦略とは
関連記事ランキング
- 2024-12-04ヤオコー、バロー、サミットで明暗 3月期主要SM24年度上期決算
- 2024-12-11強敵が次々商圏に出店!平和堂の戦略と新たなモデル店の成果とは
- 2024-12-12関西を攻めるバロー!大阪で あえて 激戦区に出店した理由とは?
- 2024-12-10EDLPと独自化で対峙!自信あり、ライフの関西オーケー対策
- 2024-12-13地域密着のEDLP フォーマットで迎え撃つ、関西地場中堅小売の戦略
- 2024-11-08怒濤の出店で1兆円が見えたロピア!大きな進化と懸念される副作用とは
- 2024-11-21冷食、京都MD強化 イオンスタイル伏見桃山の売場づくりを解説
- 2024-11-29相場高に負けない!青果部門、2025年春の売場づくり、販促提案!
- 2024-12-07イオン九州の戦略小型店、80坪のマックスバリュエクスプレス下呉服町店を徹底解説!
- 2024-11-20子育て世代をターゲットにするヤオコー川口SKIPシティ店の最新MDを徹底解説