自動化にCK・TCとの一体型…中設エンジが読み解く進化するプロセスセンターのいまとこれから
有力食品小売業によるプロセスセンター(PC)開発は一巡し、現在は日々の稼働を通じて成果を上げるフェーズにある。PC開発の構築を包括的に手掛ける中設エンジ(愛知県/松本吉晴社長)にPCを巡るトレンドと進化、今後の行方、そして同社の果たす役割について尋ねた。
この10年のPCトレンド、関西で導入が先行した理由
愛知県名古屋市に本社を置く中設エンジは、食品工場や物流施設の建屋から生産設備に至るまでの企画・設計・施工を一貫して行う企業だ。いわば、ゼネコンであると同時に、設備工事会社でもあり、そしてエンジニアリング会社でもある。その強みを生かして、スーパーマーケット(SM)のプロセスセンター(PC)やセントラルキッチン(CK)の構築にも包括的に携わってきた。
そのように「一棟まるごと」請け負ってきた中設エンジは、これまでのPCの変化や進化について多面的な知見を持つ企業でもある。

中設エンジでは10年ほど前からPCの受注が増えたという。ちょうど日本が人口減少社会へ突入するときが目の前に迫っている頃だ。ちなみに2008年から日本の人口は減少に転じた。こうした中、SMチェーンの多くは、長期的で構造的な人手不足の時代の到来への対策としてPCに着目した。また、インストア加工よりも衛生管理をコントロールしやすい点もPC導入の決め手になった。
このころ中設エンジは、まず関西圏の複数の有力SMチェーンからPC開発の依頼を受けた。数年後に、関東圏の企業からも注文を受けるようになった。関西圏のほうがPC開発に早期から取り組んだ企業が多かったのは、関西圏には商勢圏がまとまった中堅のSM企業が多かったことが大きな理由の1つと考えられる。店舗間の距離がそれほど離れておらず、物流が組みやすかった。
こうしてPCの導入企業は増えたが、店舗数が50店舗未満のSMチェーンでの導入は限られている。ただし、そのような規模の企業の中にも「温度管理が確実にできていることを付加価値にPC化を検討する企業はある」と中設エンジ執行役員エンジニアリング本部長の喜多道一氏は語る。しかし、まだ実行に移すところまでは踏み切れないのが現状だという。
精肉PCに押し寄せる自動化の波
生鮮すべての部門のうち、
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