受験生を持つ親のホンネ(親心)をとらえた明治R-1のインサイトとは
インサイトを活用した2つの事例から
明治プロビオヨーグルトR-1ドリンクタイプ「強さ引きだすR-1」のフレーズが耳に残る乳酸菌飲料。コロナ禍においても「明日へ続く体調管理」として免疫力を気にかける買い物客や、売り手である小売業からも支持をされていた。スーパーマーケットのチルドケースは連日、R-1の赤いパッケージが大陳されていた。
この商品の訴求方法として、受験シーズンになると、受験を控えた子どものいる家族に向けて「体調第一家族」をテーマに、「親が子どものためにできる健康管理としてのR-1」の推奨がある。受験生はもちろん、受験に向かう子どもを応援する親が、風邪をひいて迷惑をかけたくないと言うホンネ(親心)を捉えた展開が伺える。写真は売場に掲出をされていたPOPである。受験生をテーマにしながらも、その家族(買い物客)のインサイトを捉えて、購買促進につなげている。
もうひとつの事例は「母の日」のメニューについて。皆さんは「母の日」にお母さんや奥さんをお祝いするメニューを考える際に、どの様なメニューを思い浮かべるだろうか?お祝いや御馳走として想い浮かぶメニューとして、「ステーキ」「フライ料理」「手巻き寿司」などが一般的かもしれない。
実際、スーパーマーケットの店頭を見ると、精肉売場では和牛やサイコロ型にカットされたビーフが、鮮魚売場には手巻き寿司のネタや刺身の盛り合わせなどが陳列されている。しかし、普段通りの買い物をする母親たちの声を聞いてみると、「お祝いメニューと紹介されているけれども、結局作って片づけるのは私」「せめて手間のかからないメニューや、スイーツの方が嬉しい」、そうしたホンネがある。これは母の日の企画の長年の葛藤や矛盾に感じる。
そこで、母親のインサイトから捉えて訴求するメニューとして「母の日のブーケサラダ」がある。①野菜やフルーツで健康を訴求、②ブーケを巻く食材にアボカドやローストビーフを提案、③火を使わずに子どもも一緒に作り易い、④インスタ映え全盛の時代のモチーフに。そして最後に⑤ドレッシングやトッピングの商材にメーカー企業の協賛という仕立てにした企画だ。今、母の日を代表する新しいメニューとなりつつある(近年、父の日では「鰻のひつまぶし」が支持されてきた)。
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