ベルーナ 取締役専務執行役員 安野 雄一朗
“いまでもカタログ起点”が差別化のポイント

聞き手:阿部 幸治 (ダイヤモンド・チェーンストア編集長)
構成:キカクカ:野村光
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カタログ、リアル店舗、EC 今後はオムニチャネルの構築へ

──2012年から実店舗を出店されていますが、どのような経緯がきっかけとなったのでしょうか。

安野 もともと、お客さまや株主から、リアル店舗に対する強い要望をいただいていたことがきっかけでした。何回かチャレンジをした中で、2012年から宇都宮で開始した実店舗では、主力級のスタッフを集めて本気で店づくりを行いました。紙媒体の質感を店舗でも出すためにライティングや展示方法などもこだわり、カタログで購入いただけない客層にもリーチできるようになりました。

 リアル店舗はショッピングモールを中心に、80坪程度の敷地面積で展開しています。お客さまの年齢層は、「ベルーナ」の利用者と比較し10歳程度、実店舗の方が若い印象です。

──今年5月には、呉服専門店のさが美グループホールディングスの買収を発表されました。このねらいについてお聞かせください。

安野 呉服業界は減少傾向にあると言われていますが、激減しているのは、作法や着こなしなどが問われる正式な着物の市場です。気軽に着ていただく呉服については、まだまだ需要があると考えています。

 当社では、和雑貨なども含めて「和装事業」として総合的に展開していく予定です。いわゆる呉服だけではなく、着物を着ていない人に着物を着ていただくようにしてマーケットを広げていきたいと考えています。

──最後に、今後の展開について教えてください。

安野 新聞購読者数が年々減っているので、折り込みができる量が徐々に減ってきているのは事実です。主要顧客層についても、将来的にはネットへのシフトをしながら、伸び代のある若年層や男性を中心に、徐々に年齢層を拡大していきたいと考えています。

 カタログやチラシだけではなく、商品中心に、ネット、店舗、チラシのどこからでも買える、というようにイメージの刷新を図っていく予定です。

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聞き手

阿部 幸治 / ダイヤモンド・チェーンストア編集長

マーケティング会社で商品リニューアルプランを担当後、現ダイヤモンド・リテイルメディア入社。2011年よりダイヤモンド・ホームセンター編集長。18年よりダイヤモンド・チェーンストア編集長(現任)。19年よりダイヤモンド・チェーンストアオンライン編集長を兼務。マーケティング、海外情報、業態別の戦略等に精通。座右の銘は「初めて見た小売店は、取材依頼する」。マサチューセッツ州立大学経営管理修士(MBA)。趣味はNBA鑑賞と筋トレ

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