第21回 競争対策の要となるサプライチェーンシステム構築
システム構築の企業間格差が拡大
スーパーマーケット(SM)の特徴はお客の来店頻度の高さである。週1.5~2回の来店頻度は全フォーマット中最多レベルだ。そのため商品が売れれば補充が頻繁に必要となる。さらにSMの主力商品部門は生鮮食品だから、鮮度の維持管理が欠かせない。つまりサプライチェーンシステムの構築はSMチェーン化の最重要課題の1つなのである。
本格的な競争時代に突入したSM業界だが、サプライチェーンシステム構築の進捗状況は企業ごとに大きな格差がある。前世紀から物流と商品加工のセンター化を進めてきたイオン(千葉県)が最先端を進み、ベイシア(群馬県)、トライアルホールディングス(福岡県、以下トライアルHD)、アクシアルリテイリング(新潟県)、大黒天物産(岡山県)、ハローズ(広島県)などがそれに続く。
一方で中規模SMのなかでも商品加工を店舗からセンターに移管する企業が増えている。後述するがセンターの種類は大きく分けて4種類あり、各社の取り組みはさまざまである。
しかしサプライチェーンシステムを完全させた企業はまだない。その構築はIT新技術の導入とともに、今後の企業発展を決定付けることになる。その両方を同時進行させているのがベイシアグループとトライアルHDである。
サプライチェーンシステム構築がSMにとって不可欠な理由は第1に、