無人化より前に小売店舗が導入すべき、技術とサービスとは
コロナ禍で脚光浴びるレジ、接客の無人化
新型コロナウイルス(コロナ)禍が始まる前、中国で無人コンビニエンスストア(CVS)や無人配送などさまざまな先端技術の実験拠点となった街を訪れた。しかし、無人配送を謳いながら背後でコントローラーを握った人物が操作していたり、無人CVSは認証の不具合で長蛇の列が発生し複数の店員が整理に追われていたりと、「これなら人間がやれよ」と思ったものである。ほかの無人CVSも見に行こうとガイドに誘われ向かったところ、すでに閉店。聞けば、近所の老人たちが涼みに来る程度で商売にならなかったらしい。報じられている内容と現実のギャップにめまいがした。
しかしその後、コロナ禍でレジや接客における無人化の取り組みは再び脚光を浴びることになった。日本でも外食チェーンや商業施設などで接客ロボットが導入されたり、JR線の「高輪ゲートウェイ」駅構内にオープンした「TOUCH TO GO(タッチ・トゥ・ゴー)」や、その技術を導入したファミリーマート(東京都)の無人決済店舗といったレジレスコンビニ、あるいは学校やオフィス内に食堂や購買の代替となる食品・日用品の自動販売機の設置が拡大されたりした。
売上と効率をいかに両立させるか
こうした無人化の取り組みは毎日のように報道されているが、どうも「無人」という言葉ばかりが強調されているように私は感じる。