ヤオコーが新たな売れ筋にしたい「仕掛け中」の総菜とは?

小関恭司(リンクスK)
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ヤオコー大

ヤオコーの総菜部門は、同社が現在のような優良チェーンに成長した原動力と言っていい。同社の総菜は、お客はもちろん、同業者からの評価も高く、「ヤオコーさんの売場、商品を参考にしている」という食品スーパー(SM)関係者も多い。なぜ、ヤオコーの総菜はこれほどまでに注目されているのか。SMの総菜部門のコンサルティングに多数の実績を持つ総菜のプロフェッショナル、小関恭司氏とともに調査を実施し、その理由を探った。
※調査日:2021年1月20日、商品の価格はすべて税抜

売場解説

最前面のデザートで季節感を訴求!

ヤオコー所沢北原店の外観

 2020年11月20日にリニューアルオープンした「ヤオコー所沢北原店」(埼玉県所沢市:以下、所沢北原店)は、ヤオコーにとって「次なる旗艦店の布石」という位置づけの店舗である。同社総菜部門の売場づくりと商品づくりの最新形が見られることから、同店を今回の調査対象に選んだ。

 02年6月に自社ショッピングセンターの核店舗として開業した所沢北原店。20年11月の大規模改装によって売場面積は662坪から806坪に増床した。足元商圏からのシニア層に加えて、3㎞圏内に居住するヤングファミリーのリピート率を高めるのが改装のねらいだ。

 店内を見ていくと、中央入口を入ってすぐのコンコースに、生鮮3部門と総菜の売場が一体となった売場を展開している。ヤオコーはこのレイアウトを旗艦店によく採用しているが、今晩のメニューを決めずに来店する大半の顧客にとって便利なレイアウトであると言える。このレイアウトならば、総菜売場で今晩のおかずを購入することもできるし、総菜のラインアップからメニューのヒントを得て素材を購入することもできるためだ。

 総菜売場は、食シーン別に「軽食・デザート」「昼食・夕食」の大きく2つにゾーニングしている。入口最前面には、「軽食・デザート」を配しており、平台にカラフルなデザートが並ぶ。これは青果売場の最前面に旬の果物を陳列するのと同じ発想で、季節感の訴求をねらったものだろう。

 同社発表のリリースによれば、所沢北原店では、改装前から5億円増となる45億円を年商目標に設定している。調査日、昼前の買物客の様子を観察した限りでは、同社のねらいどおり、ヤングファミリー層が多く来店していた。どのお客もたくさんの商品を買物カゴに入れており、客単価は非常に高いと思われる。

売場づくりは「専門店化」を意識?

 所沢北原店の総菜売場で真っ先に感じるのは、

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