アフターコロナのEC通販になぜ「物流」戦略が必須なのか
ショップごとの性格を把握し配置見直しも
重要なポイントは「Man Hour= MH」という考え方だ。EC ショップ別に「 MH 」の指数を持っておくのである。例えば A というショップは1名で1時間10件の出荷ができる。140件の出荷予測であれば、14 MH が必要だ。1日7時間労働だとすると2名×7時間で14 MH となる。翌日の出荷予測数が140件ならば、2名の要因をアサインすれば良い。
このように20社の EC ショップの出荷に必要な MH をそれぞれ事前に予測し、日々のシフトを組んでいるのである。ショップ別にスタッフは固定しているが、出荷の波動によって配置はフレキシブルに見直す。午前と午後でも必要な MH を確かめながら、シフトを動かす。なお、出荷量の波動に柔軟に対応する上で、もう一つ重要な要素は物流を引き受けるショップの組み合わせである。
すべてがモール出店メインのショップだと、モールがセールなどを実施したとき、全部のショップの出荷が増え、さすがの大規模物流センターもパンクしてしまう。しかしスクロール360のクライアントであるショップは、モール系出店が50%、リピート通販系が50%とバランスがとれており、波動の調整がしやすい。
なお、 SLC 浜松西の隣りの敷地には佐川急便浜松営業所のセンターが建っている。スクロールの物流センターが竣工した翌年に移転してきた。配送キャリアのセンターとの距離も重要なポイントだ。
近くにあればあるほど集荷時間にゆとりができる。昨今の物流クライシスで出荷時間を早められた EC ショップはたくさんあるが、隣りという立地のお陰で、スクロール360の集荷時間はギリギリでも間に合うようになっている。