常盤勝美の実践ウェザーMD #3ウェザーMDで成果を出すためのコツと販売数が急増する基準温度
気象データ活用においての注意事項
気象データと連動した自動発注システムまではいかないですが、たとえば発注システムに気象データが表示される仕組みを導入している企業もあります。しかし、気象情報が見られる環境を構築したのにもかかわらず、思うように気象情報活用の成果が得られない、というご意見を聞くことがあります。
このとき陥りがちなのが、「気象情報がいつでも見られる環境があれば、自然と意識が高まり発注精度が向上し、ロスが減るはず」という錯覚です。前述のように、気象情報を活用しようとするマインドのボトムアップ効果は期待できますが、環境を構築したところで満足しては不十分です。
このマインドを打破するために必要なのが、気象情報への関心を強くすること、そして積極的に活用しようとする意欲です。必ずしも天気図の見方まで熟知する必要はありませんが、せめて天気マークの意味や各季節の天候の特徴、店舗周辺地域の天候の特徴は把握しておいていただきたいところです。そして、店舗、部門長、スーパーバイザー、発注担当者など、関係者間で、気象の特徴だけでなく、それによって商品や顧客の動きが変わることを理解し、社内で知見共有する環境を構築していくことが重要です。
“お天気マニア”のススメ
気象情報を積極的に活用し、MDの精度を高めている企業や店舗に共通して言える興味深いポイントは、“天気マニア”ともいうべき気象情報に詳しい担当者がいることです。その担当者が起点となって、「こんなことにも使えるのではないか」「あんなことにも使えるのではないか」と発想が広がり、さまざまな業務に向けて、それに適した形式での気象データ活用が実現されることがよくあります。
たとえば、店舗の発注端末上のBIツールでピンポイントの気象情報が表示されるだけでなく、温度帯ごとの部門別販売数ランキングなど、さまざまな切り口で気象データと販売データの掛け合わせをできるようにしたことによって、店長や発注担当者が積極的に売場や販促の改善活用が始まったという事例もあります。
もしそのような“天気マニア”が自社に居なければ、気象会社や、当社のようなデータマーケティングを手掛ける会社などに相談するという選択もあります。顧客に愛される店舗をめざし、あなたの会社でも、データ分析ができるお天気マニアを育ててみませんか?
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