業績回復の鍵はテイクアウト – トリドール「丸亀製麺」がコロナ禍を乗り切るために変えたこと、変えないこととは?

2020/12/07 05:56
若狭 靖代(ダイヤモンド・チェーンストア 記者)
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コロナ禍で需要の高まったテイクアウトが復調の鍵

 コロナ禍での外食控えにより丸亀製麺も大きな打撃を受けたが、窮地を脱する手がかりとなったのはテイクアウトの導入だった。テイクアウト導入の準備は以前から進めていたが、コロナの流行を受けて予定を前倒して導入したところ、月によってばらつきはあるものの平均で店舗売上の14~15%、中には30~40%をテイクアウトの売上が占める店舗も出現した。また、テイクアウトの導入は客層にも変化をもたらした。コロナ以前からもともと一人客が多く、複数人での利用は減少傾向だったイートイン(店内飲食)と異なり、テイクアウトでは3~4人単位での利用が目立つという。テイクアウトの比率をより引き上げるため、現在約20店舗で導入している「Uber EATS」などのフードデリバリーサービスを、さらに拡大することも計画している。

 テイクアウトの導入に際しては、イートインと遜色のない品質での提供にもこだわる。ほかの飲食店ではテイクアウト用に、時間が経っても麺が伸びないよう、麺そのものを変更しているところも少なくないが、丸亀製麺では店舗と同じ麺をテイクアウトでも提供する。これは、現在店舗で提供している麺がベストなものだという考えからだ。「麺に手を加えるのではなく、そのままのおいしさを保てる容器の方を新たに開発しようと考え、2年程前から取り組んでいた」と鳶本氏。

 このことからも分かる通り、テイクアウトはコロナ禍での一過性の取り組みではなく、新たな売上の柱として今後も力を入れる考えだ。「準備を進めていたテイクアウトを、コロナがきっかけで予定を早めて導入することになったが、コロナで下がった売上の穴埋めという風にはあまり考えていない。(テイクアウト分が)売上の上積みとなるようにしていきたい」と山口社長は話した。

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