ユニクロ世界一、在庫レスストア、C2C、金融主導再編…5つの予言が進行形で的中!
プラットフォーマーになれなかった商社 何が悪かったのか?
商社が果たすべき役割とは何か?これは財閥系の某商社の手法がお手本になる。彼らは、前工程から利益を搾り取ろうとせず、むしろ、有能なターンアラウンドマネージャーである人材を多数送り込み、前工程の事業価値をあげるお手伝いをする。
時に、最新のシステムを自らのリスクで自社(商社側)に導入し、アパレルに無償提供する。彼らの考えは、「随伴トレード」といって、前工程が息を吹き返し、この厳しい競争環境の中で勝ち続け売上をあげてゆくことで、付随するトレードも結果的に上がってゆくという考え方なのだ。
多くの商社が、30年前から頭が硬直化している間に、「アパレルのプラットフォーム化」はどんどん進んでいる。個別のアパレルがプラットフォームとなれば、他のアパレルは寄りつきにくくなる。なぜなら、誰もが、プラットフォーマーが儲かり、プラットフォームの上でビジネスをするアパレル企業は、利益を吸い取られるということを、ZOZOなどの事例で十分理解しているからだ。アパレル企業、例えば、プラットフォーマー化を高らかに宣言したワールドなどが、この課題を解決すれば、商社は一部を除いてドミノ倒しのように倒れてゆくだろう。残念だが、商社のプラットフォーム化は実現性が低くなってきたように見える。
この状況を踏まえたうえで、次回、5番目の予言「金融主導の業界再編化」について語りたいと思う。この予言の結末には恐ろしい世界が待っているのである。
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プロフィール
河合 拓(事業再生コンサルタント/ターンアラウンドマネージャー)
ブランド再生、マーケティング戦略など実績多数。国内外のプライベートエクイティファンドに対しての投資アドバイザリ業務、事業評価(ビジネスデューディリジェンス)、事業提携交渉支援、M&A戦略、製品市場戦略など経験豊富。百貨店向けプライベートブランド開発では同社のPBを最高益につなげ、大手レストランチェーン、GMS再生などの実績も多数。東証一部上場企業の社外取締役(~2016年5月まで)