好業績スーパーが価格強化に向かう必然? 忍び寄る不況の影

宮川耕平(日本食糧新聞社)
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6月から価格強化に転じたスーパー各社

ヤオコー桶川
写真はイメージ、本文とは関係ありません

 この統計が出る前、6月初頭には多くの食品スーパーが価格強化策に踏み切りました。食品スーパーは好調でしたが、それ以上にディスカウントストアが集客力を高めていると察知したことが背景にあるようです。

 たとえばダイエーですが、「安い値!」マークで打ち出していた一定期間のエブリデー・ロープライス(EDLP)商品を従来の1.3倍・200品目に拡大しました。加工食品の値段を下げるだけでなく、総菜では丼物の中心価格帯を修正、本体価格298円のカツ丼や天丼などを前面に打ち出すようになりました。

 ヤオコーも6月に入り、「厳選100品」のマークで月替りの特売品を選定するようになりました。7月に入ると店頭掲示や自社アプリを通じて「いつ来ても安いに挑戦します!」との宣言を「お客さまへのお約束」と題して行いました。「豊かで楽しい食生活」を掲げた提案型食品スーパーの従来路線にプラスする「次なるステップ」との位置付けです。

 食品スーパー各社の第1四半期(20年3~5月期)は、特殊な状況下でハードワークが続き、結果として大変な好業績になりました。とはいえこれから先の見通しは不透明で、多くのチェーンが次の変化を見越して機敏な対応を見せています。コロナ禍で不確定要素は多いわけですが、不況からくる節約志向の高まりだけは、ほぼ確実に起こりうる未来と覚悟し、備えを進めています。

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