コロナ禍でトイレットペーパー欠品続出  家庭でのストックは増えた? 買い方は変わった?

2020/06/12 05:45
    ㈱プラネット 意識調査「Fromプラネット」調査班
    Pocket

     では、トイレットペーパーを買う際、購入点数を増やすなど買い方の変化はあったのだろうか。

     前述の調査で、「新型コロナウイルス感染対策として外出を自粛するようになった影響で、ご自宅でのトイレットペーパーの消費量や買い方はどのように変わりましたか」という質問への回答をまとめたのが図表③だ。

    図表③

     最も回答が多かったのは、「消費量・買い方は特に変わらない」(64.2%)で、次点は「(消費量が増えたため)購入量・頻度が増えた」(17.9%)だった。「(消費量が増えたため)節約して使うようになった」は10.1%、「品薄で手に入りにくく、メーカーや銘柄を変えた・ふだんと違うメーカーや銘柄のものを買った」は8.9%だった。欠品状態を経験したあとも、全体の6割超がトイレットペーパーの買い方を変えないと回答した。一方で、「(消費量が増えたため)購入量・頻度が増えた」(17.9)だった。「(消費量が増えたため)節約して使うようになった」は10.1%と、「消費量が増えた」と回答した人も3割もいた。

    図表④

     図表④は、世帯の人数ごとに、③の買い方の変化を分析したもの。同居家族が多くなるに従って、消費量・買い方が変わったと回答する比率が上がっているのがわかる。大家族になるほど、在宅時間が増えたことで、トイレットペーパーの消費量が増えている。

     また、トイレットペーパーの消費量が増えた大家族世帯が、どこでトイレットペーパーを購入しているかを示したのが図表⑤だ。ここでも特徴的な調査結果が出ている。

     

    図表⑤

     

     ドラッグストア、スーパーで買っている比率が高いのは、人数が少ない(1人くらし、2-3人)世帯と同じだが、ホームセンターで買っている比率が38.7%と突出して高い。またインターネットで買う比率も他の世帯と比べて高い。トイレットペーパーはかさばるだけに、大家族の、大量に買う世帯は、食品や日用品と一緒に買うよりも、かさばるものを買う目的で、それにあったチャネルで買っているのだろう。

     昭和のオイルショックを想起させるような報道が流れる中でも、消費者の多くは必要量に合わせた適切な消費行動を取り続けていたようだ。これらの調査結果から日本の消費者は成熟していることが示されたと言っていいかもしれない。アフターコロナの世界では、どのような消費スタイルが「ニューノーマル」となるのだろうか。令和の成熟した消費者に対して、流通企業側はどのような情報発信をしていくのか。これまで以上に、洗練された対応が求められていくだろう。

    1 2
    © 2024 by Diamond Retail Media

    興味のあるジャンルや業態を選択いただければ
    DCSオンライントップページにおすすめの記事が表示されます。

    ジャンル
    業態