Uber Eats Japan代表が語る「2025年 3つの成長戦略」の中身とは
Uber Eatsの日本法人であるUber Eats Japan(東京都/中川晋太郎代表)は3月11日、ビジネス戦略に関する記者発表会を行った。コロナ禍を経てフードデリバリー需要が落ち着きを見せる中、売上高が2年連続で2ケタの伸びを示すなど安定成長を続ける同社。Uber Eats Japanが掲げる2025年の成長戦略をレポートする。

「Anything」「Anywhere」「Affordable」を3つの柱に
Uber Eats Japanは飲食店のメニューを運ぶフードデリバリーサービスのほか、19年から小売業がリアル店舗で扱う食料品の配送サービスを開始している。24年末時点における加盟店舗数は12万店以上、配達パートナー数は約10万人となっている。
22年9月からは、企業が自社サイトやアプリで販売する商品をUber Eatsの配達ネットワークを活用して顧客に届ける「Uber Direct」をスタート、導入企業は約100社に増加した。そのほか、処方薬や業界初となるクリーニングの配達も開始するなど、ラストワンマイルの配送ソリューションとして事業領域を拡大している。
Uber Eats Japanは、25年をさらなる飛躍の年と位置づけ、「Anything(ほしいものがすぐに)」「Anywhere(日本全国津々浦々で)」「Affordable(もっとお買い得に)」の3つの柱を成長戦略として掲げている。
リアル小売との協業でサービス拡大する「ピック・パック・ペイ」とは
1つ目の「Anything(ほしいものがすぐに)」では、食品・日用品の取り扱いを強化するとともに、リアル小売との協業を拡大する。24年は、イオン北海道(北海道/青栁英樹社長)、イオン琉球(沖縄県/鯉渕豊太郎社長)、いなげや(東京都/本杉吉員社長)、ビッグ・エー(東京都/打海直也社長)との協業を開始した。
提携拡大により、24年の食品・日用品の売上高は前年の2倍に伸長。また、ローソン(東京都/竹増貞信社長)のUber対応店舗は7000店を突破するなど、コンビニエンスストアとの連携も強化している。
Uber Eats Japanは、大手小売各社との協業を進める戦略の一環として「ピック・パック・ペイ(PPP)」を推進している。PPPとは、Uber Eatsの配達パートナーが注文商品の店内におけるピッキング作業、パッキング作業(袋詰め)、会計までを店員・ユーザーに代わって行うサービスで、24年6月にスタートした。

25年3月時点で、PPPの導入店舗は1300店舗を突破しており、首都圏で小型スーパーを展開するまいばすけっと(神奈川県/岩下欽哉社長)がそのうち約1000店舗を占める。
PPPの対象エリアは関東のほか、宮城県、広島県、福岡県まで広がっており、今後は日本全国に拡大する予定だ。
2つ目の「Anywhere(日本全国津々浦々で)」では、地方都市へのフードデリバリーの展開を加速する。フードデリバリーは21年9月時点で47都道府県すべてをカバーしているが、対象エリアは主に都市部に限られていた。今後は一定の人口規模がある地方都市でもフードデリバリーの利用拡大をめざす方針で、25年3月末までに、新たに10県の22都市を対象エリアに加えた。その先も順次エリアを広げ、25年内に100都市以上でサービスを提供するとしている。