ひと味違う商品で支持得る「日本酒で鮮度を訴求したい」=日本盛常務取締役 営業本部長 上野太郎

ダイヤモンド・チェーンストア編集部
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飲酒シーンを広げる活動

──現在、どのような商品に注力していますか。

上野 他社との差別化を図るという点では、2015年2月に発売した「日本盛 生原酒 ボトル缶」シリーズです。現在、「本醸造」はじめ「純米吟醸」「大吟醸」「純米大吟醸」とテイストの異なる4種類をラインアップしています。

──特徴を教えてください。

上野 「生原酒」とは、本来は蔵に来なければ飲めなかったお酒で、できたてのフレッシュな味わいが魅力です。反面、加熱処理を行っていないため要冷蔵で品質管理も難しく、そのため長らく、一般の流通網には流せないといわれてきました。

 それでも、当社では生原酒のおいしさを知ってもらいたいと、2013年、阪急電鉄「西宮北口」駅構内に生原酒の量り売り店舗をオープンしました。それを皮切りに、関西、関東の各地の駅などで量り売り販売を始めました。当初、中高年男性の利用を想定していましたが、女性からも「飲みやすい」「香りがフルーティー」と好評価で、大きな反響があったのはうれしい誤算でした。

──好評を受け、商品化に向かったわけですね。

上野 ただ前述のとおり、生原酒は品質管理が難しいのが大きな問題です。そこで当社は試行錯誤の末、製造ラインを工夫するほか、容器にボトル缶を採用することで、常温流通を可能にするというハードルをクリアすることに成功しました。食品スーパー(SM)企業をはじめ、流通各社様の評判もよく、取り扱い店は着実に増えています。

──一方、お酒を飲むシーンを広げる活動にも力を入れているようですね。

上野 キャンプやハイキングといった行楽の場でも日本酒を飲んでいただきたいと考えています。昨年からはアウトドア用品メーカー大手、モンベル(大阪府/辰野岳史社長)と組み、新たなシーンでの楽しみ方を積極的に提案。限定ボトルや、カップホルダーはじめ関連グッズを販売するほか、モンベル主催の各種イベントにも参加して露出度を上げています。また今年の3月には第2弾タイアップ商品も予定しています。

 生原酒シリーズは、ボトル缶なので持ち運びがしやすく、飲み口が広いこともあり、アウトドアには向いていると思います。

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