レシートは語る第15回 まもなく関西進出のオーケー、データでわかる競争力と成功のカギ

山室 直経 (mitorizDMB本部 本部長)
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チェーン別満足度調査で迫るオーケーの魅力

 次に、各チェーンの利用者ごとに「満足度調査」を行った結果を見ていく(図表2)。

図表2

 6チェーンで各項目の満足度を比較した結果、8項目の平均は「ライフ」が最も高く、中でも「生鮮食品の品質」の評価が比較チェーンの中で最も高かった。一方、オーケーは、比較して総計は高スコアではないものの、「商品の品質」「商品の価格(安さ)」「商品陳列のわかりやすさ」で評価を受けており、ライフより多い3項目で最も高い満足度を獲得している。

 「商品の品質」においては、「メーカー品が安く、品揃えが豊富」「メーカー商品はすべてほかのスーパーよりも安い」との声からわかるように、ナショナルブランド商品で価格競争力を発揮する商品政策が満足度につながったようだ。さらに、メーカーが製造するオーケーオリジナル商品も、プライベートブランド展開など、商品企画に強いチェーンにも勝る支持を得ている要因のひとつだろう。

 また、オーケーの「商品の価格安さ)」は、コストカットを追求した成果であり、店頭陳列などもそのひとつだ。特売商品を作らず展開する厳選商品のラインナップや、効率を追い求めた陳列も「商品陳列のわかりやすさ」に起因していると考えられる。商品の状態や価格を正直に知らせる「オネスト(正直)カード」の表示も「正直品質でいい」とのコメントがあり、接客の効率だけではなく信頼と納得感を増し、満足度を高めているといえそうだ。

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記事執筆者

山室 直経 / mitoriz DMB本部 本部長

山室直経(やまむろ・なおつね)

神奈川大学経営工学科卒業。パソコンメーカーを経て、米リサーチ会社にてコンサルティング業務を学ぶ。その後、大手家電量販店子会社のパソコンメーカーで経営企画室に従事。計数管理とERP導入による業務改善などのプロジェクトを経験した後、2012年3月ソフトブレーン・フィールド入社、消費者購買データ事業の新規立ち上げを行う。

現在はデータを軸とした事業開発と当社の基幹システムのDX戦略を担う

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