最高益を記録!競争激化でもエニタイムフィットネスが絶好調の本当の理由

2024/11/27 05:55
吉牟田祐司
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社員寮や大学キャンパスにも出店

anytimefitnessにかほTSUGUBA店
TDK社員寮敷地内に出店した「にかほTSUGUBA店」

「グローバル展開しているエニタイムフィットネスの中でも、日本は直営15%、FC85%と直営店舗の運営比率が高い。世界的には直営2~3店舗で、残りはすべてFCという国と地域がほとんど。私たちは直営店舗で新しいオペレーションのやり方などをトライアルし、成功事例をFC店舗に共有して、一気に横展開している。そのサイクルが非常にうまく回っている」(山部社長)

 日本国内のマスターフランチャイジーでありながら、海外にも展開を広げるFFJは、中長期目標で2028年3月期までの国内1,400店舗を目指している。FCや同業他社のM&A(合併・買収)による事業拡大を積極的に検討し、新しい出店スタイルにも挑んでいる。滋賀県、奈良県と健康増進のための包括連携協定を締結。秋田県ではTDKの社員寮、千葉県では東京理科大学のキャンパス内に地域住民も含めて誰でも利用できる店舗を出店した。

「病院の敷地に出店し、健康診断の結果が芳しくない人に体を動かしてもらう働きかけなどは以前からやっている。地方自治体、企業、教育機関、病院などと幅広くコラボレーションして、より多くの人に運動できる場を提供していきたい。中長期計画で目標としている1,400店舗突破は、すぐそこまで迫っており、一気に駆け抜けられるだろう。FCの運営を守るためにテリトリー制を採用しているため、都心部などではホワイトスペースが少なくなってきているが、まだまだ出店の余地は残っているし、打ち手もある」(山部社長)

 現在、FC加盟企業は約170社。飲食業態のFC運営を手掛ける企業、パチンコホールなどアミューズメント事業から業態転換する企業のほか、警備業、鉄道事業など多方面の企業がフィットネス事業に興味を示し、FFJへのオファーがあるという。グローバル本部からは2,000店舗を超える展開を期待する声もあがっている。ただし、海外と比べて日本だけが異なっている1つある。その課題とは何で、どのように対処していくつもりなのだろうか。

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