西武グループが仕掛けた「駅ナカ」コストコ好調の理由とは
所沢から電車で各駅のロッカーへ
ボピスタを利用するための会員登録は簡単で、メールアドレスや名前などを登録するだけ。LINEアカウントを連携して、ボピスタの提携ショップで購入した商品を指定したロッカーで受け取る。西武線沿線に店舗を構える人気店のチョコレートや地場野菜などを取り扱う11のショップと連携する中、圧倒的に売れているのがコストコの商品だ。
「1回目の実証実験終了時に実施したアンケートの回答でコストコ商品を取り扱ってほしいという要望が多く見られたことから、西武ホールディングスで新規事業を創出する専門部署の西武ラボがコストコにアプローチをかけて取り扱いが始まった。そのおかげで利用者は店舗に足を運ぶ必要もなく、コストコの商品を購入できる点も評価をいただいている」(丸山氏)
テレビやネットニュースでも取り上げられて話題になり、駅広告やLINEでのキャンペーン告知で積極的に情報を発信。LINE登録した会員数は2万人を突破した。利用が目立つのは、池袋駅、西武新宿駅といった起点駅のほか、練馬駅、石神井公園駅などファミリー層が多く住むエリアの駅。利用者は30~50代と幅広く、その8割以上を女性が占めるという。
「注文が多いのは36個入りのディナーロール、トルティーヤでベーコン・レタス・トマトを包んだハイローラー(BLT)、プルコギビーフといったコストコの定番商品が中心。日常的な利用のほか、ホームパーティーのためにご購入いただいているようだ」(同)
注文を受けた商品は、コストコ入間倉庫店で仕入れ、ボピスタの配送員によって所沢駅近くにある集荷場から電車で各駅のロッカーに届けられる。受け取り日時は注文から5日後まで設定でき、午前8時までの注文であれば、当日の受け取りも可能だ。
取扱商品数は実証実験で取り扱いを開始した時点では100商品程度だったが、800商品まで増やし、食品から日用品まで幅広い選択肢を提供している。