ペット関連商品業界首位のイオンペットがめざす、さらなる成長の一手とは?

大正谷 成晴 (フリーライター)
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高度医療を提供する医療センターを拡充

 そのほかイオンペットは動物病院事業にも注力しており、高度医療を提供する「ペテモどうぶつ医療センター」をはじめとし、50以上の医院を展開している。今後の方針について、「あまり(病院の)拠点数は追いかけておらず、現在はサービス内容を充実させている」と小倉氏は述べる。

動物病院事業・グルーミング事業・店舗開発を管掌する小倉政光取締役(写真左)

 従来は多くの人が集まる利便性の高いショッピングセンターで敷居の低い病院を開設するのがコンセプトだったが、新規出店のショッピングセンターの数は減っている。なおかつ犬の高齢化が進み医療ニーズは増えていることから、専門的な医療を提供できる病院が必要になってきた。

 「CTなどの設備があり、白内障の治療ができるセンター病院が全国に8拠点あるが、2030年までに10拠点まで増やしたい」と小倉氏は目標を語る。動物病院の開業は初期投資が大きく急拡大はできないが、底堅いニーズを期待できるのが強みだ。

 現在は小売事業と動物病院事業でポイントを連携しているが、将来的にはDXにより顧客情報を一元管理し、医療情報をもとに商品購買につなげるとともに、その反対も想定している。また、譲渡施設などペットと触れ合う機会を増やし、ペットとの豊かなくらしを未来にもつなげたい考えだ。

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記事執筆者

大正谷 成晴 / フリーライター
資産形成・運用、税制、キャッシュレス・ポイント、医療・介護、ビジネス全般、まちづくり・地方創生などのジャンルで取材・執筆を行っている。著書『決定版 1万円からはじめるFX超入門』(かんき出版)など

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