日本市場縮小のなか、強みを発揮できるビームスらしい海外戦略とは

2024/06/04 05:58
油浅健一
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ビームス(東京都/設楽洋CEO)の海外戦略が着々と実を結び始めている。フランス・パリの2024年秋冬ファッションウィークにあわせて開催した「AW24 BEAMS パリ展示会」(117日~121日)では、同社が展開するウィメンズの〈BEAMS BOY〉が、海外の卸先を現卸先11社の「2倍超」となる24社まで拡大させた。手ごたえのある成果を受け、同社グローバル本部 グローバルビジネス部 部長の戸田慎氏に、「世界」への想いや戦略を聞いた。

初のシーズンもの投入が確かな成果を推進

〈BEAMS BOY〉展示会場
〈BEAMS BOY〉展示会場

 1月の展示会では〈BEAMS BOY〉を定番商品だけでなく、初めて2024年秋冬シーズン商品まで投入。欧米バイヤーに国内市場と同じく、シーズン商品をアポイント制で紹介した。29社のバイヤーと商談を行い、オーダーは現卸先11社の「2倍超」となる24社から受け付けた。

 欧米バイヤーの反応では「メンズライクなレディースという〈BEAMS BOY〉のコンセプトがユニークだ」といった声が目立ったほか、ブランドを複層的に構成する「トラッド」「ワーク」「ミリタリー」「アウトドア」「スポーツ」というテーマそれぞれの商品群に対して、テイストの異なる幅広い取引先が、〈BEAMS BOY〉ブランドの中でも、自社に合うテーマの商材のみをピックアップして買い付けるという、海外展示会ならではといった動きも見られたという。

 「ここに至るまでも〈BEAMS BOY〉は、国内での店舗接客を通して得られるお客さまの声や販売実績をもとに、より完成度の高いオリジナル商品を制作し、世界に届ける準備を粛々と進めてきた。今回の展示会を通してさらなる飛躍ができる手応えを感じている」と、戸田氏は満足げに振り返る。

BEAMS PLUS
<BEAMS PLUS>は単独で会場を設けた

 フランスの展示会では初めてシーズン商品を紹介できたことも推進力になった。

「海外に卸をするためには、例えば 2024 年秋冬の商品展開が1月のタイミングだと、その 1 年前にはサンプルを見せなければならない。しかしトレンドの見極めが難しく、今まで定番しか出せていなかったが、一部の商品においては企画の時期を早めることで、その問題を解決した」と戸田氏は話す。

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