買物難民支援サービスが続々!小売業に求められる「届ける」以外の要素とは

2024/06/06 05:58
本多利範
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ドローン使って商品を離島へ

 ドローンを使った買物支援策もある。

 コンビニエンスストア(コンビニ)大手のセブン-イレブン・ジャパン(東京都)は、2025年度をメドに、店舗から離島へのドローン配送の実用化をめざしている。

 このほど福岡市内にあるコンビニから、約600人が居住する能古島まで商品を届ける実証実験を行った。同社が独自に開発したシステムで受注し、約5km離れた現場まで、わずか約10分で商品を配達することに成功した。

 注文された商品は、アイスクリームや淹れたてコーヒー、おでんなど、店舗での買物と同様のものが多かった。ドローンを駆使して「今すぐ欲しい」という利便性の高いサービスの提供をめざすというのは、コンビニらしい施策だ。

 「無印良品」を展開する良品計画(東京都)は、山形県酒井市や北海道函館市をはじめ、複数のエリアで移動販売を実施している。店舗から食品や日用品を詰んだ専用車両が山間地など、買物が不便な地域を巡回する。また、同社では出店販売サービスも行っており、千葉県千葉市の花見川団地では毎週土曜日、空いている店舗を活用し、商品を陳列している。

 良品計画がめざすのは地元ニーズに寄り添った店づくりだ。買物難民支援の意味合いもあるが、さらに生活者の近くの場所まで出向き、困りごとを直接聞くことが、新しい商品、サービスの開発につながると期待している。

 ほかにも移動販売としては先駆的な「とくし丸」も依然として強い支持を得ている。2012年のサービス開始から、車両数は1000台超と急速に拡大。商品を供給する食品スーパーと、軽トラックを運転して配達する個人事業者が利益を分け合うビジネスモデルを構築したことも大きい。配達人は、各地で対面販売を通じ、買物の悩みにも応えている。

 これらの事例からは、単に商品を届けるだけでなく、「コミュニケーション」はじめプラスアルファの要素に成功のカギがありそうだとわかる。

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