売上1000億円超!ノースフェイスのゴールドウインが自社ブランドを強化する理由
「Goldwin 0(ゴールドウイン ゼロ)」で自社ブランドの差別化を狙う
世界の名立たるブランドの商標権を有している同社は、2023年1月から、新たにスウェーデンの電動バイクメーカー「CAKE 0 emission AB」が展開するブランド「CAKE」の販売をスタートした。CAKEの特徴は、環境負荷に配慮した製法でつくられ、CO2を排出しないクリーン、サステナブルなバイクであるところだ。
「環境配慮型の商品の企画は、当社が以前から取り組んできたことでもある。最近の若い世代は、消費行動においてポリシーをもっていて、特に環境、社会貢献の意識が高いので、そこをしっかり伝えていかないと商品として支持されなくなる」
「今後も取り扱うブランドは増やしていく」とする同社であるが、ブランドを見る上で大切にしているポイントは、「社会的意義があること、デザイン性が高いこと、マーケットに将来性があることに加えて、環境配慮などの同じビジョンを共有できるかという視点」だという。
一方で、「今後はグローバルに販売を拡大できる自社ブランドの強化が必要となる」と森氏は言う。というのも、ノースフェイスの商標権は日本国内と韓国のみに限られ、それ以外のライセンスブランドは日本での展開に限定されているからだ。
「ゴールドウインブランドはまだまだ海外マーケットで伸びていない。伸びしろのある海外で自社ブランドを成長させることが必要だ」
最も成長を見込んでいるのが、ファッション性とスポーツ性をミックスさせた、よりファッション要素が強い新プロジェクト「Goldwin 0(ゴールドウイン ゼロ)」コレクションだ。この「ゴールドウイン ゼロ」が世界中から大きく注目されているのは、スパイバーが開発する環境に優しい構造たんぱく質素材「Brewed Protein™繊維」を使用している点。
「Brewed ProteinTM繊維を使ったジャケットやTシャツはこれまでも販売してきたが、なかなか大量生産ができなかった。量産化の目途がたったことで、2023年秋冬シーズンでは自社の4ブランドから世界同時販売する予定」