給与が高いのはあのチェーン! 上場食品スーパー平均給与ランキングを一挙公開

崔 順踊(リテールライター)
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6位以下のランキングは!?

 以下、6位は北海道食品スーパー連合の持ち株会社であるアークス(北海道)が568万でランクイン。7位には、東海・中部を中心に店舗展開するマックスバリュ東海(静岡県)が564万円と事業会社としては高水準の平均給与で名を連ねている。

 5位のヤオコー以下、14位のオークワ(和歌山県)までの10社は平均給与が500万円以上となっており、冒頭で述べた国税庁が発表している平均給与を大きく上回っている。

 顔ぶれを見ていくと、9位のマミーマート(埼玉県)、10位のいなげや(東京都)、11位にライフコーポレーション(大阪府)、12位のヤマナカ(愛知県)、13位のベルク(埼玉県)など、東京を中心とした首都圏、大阪、名古屋といった大都市で店舗展開している企業が目立つ。

 15位のダイイチ(北海道)から25位のハローズ(広島県)までの11社が400万円以上の平均給与となっている。なお、26位のリテールパートナーズは273万円と25位と比べて150万円近い差があるが、リテールパートナーズは丸久(山口県)、マルミヤストア(大分県)、マルキョウ(福岡県)などを傘下に抱える持ち株会社で、かつ、在籍する9人全員が子会社からの兼務出向者となっている。有価証券報告書で開示している平均給与は、持ち株会社社員の「給与の一部」と考え、参考数値として参照されたい。

 これらを踏まえると、本ランキングで掲載した上場食品スーパーの平均給与は、国税庁発表の業種別平均給与を大きく上回っているといっていい。ただ、国内の食品スーパーは中小チェーンがひしめく非寡占化市場であり、本ランキングが対象としている上場食品スーパーは市場全体から見れば“少数派”の大手チェーンであり、そのぶん平均給与も高いことを付言しておきたい。

 世界的なインフレの加速によって、コスト高が顕著になり、厳しい状況にある小売業界だが、エッセンシャルワーカーである食品スーパーの現場で働く従業員の平均給与を業界全体としてアップさせる経営努力が、より便利で顧客満足度の高い企業・店舗運営に必要となるだろう。

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