セブン-イレブンが発表した新フォーマット コンビニ×スーパーの「新コンセプト店舗」とは
食品小売業界で加熱する
小型フォーマット競争
セブン&アイの井阪隆一社長は、SIPストアについて「今後の少子高齢化、共働きの増加へ対応するべく、今までの“業態論”に縛られず、お客さまの身近で生活必需品をお買い上げいただけるような新しいフォーマットを確立していきたい」と意気込みを語っている。
まずは23年度上期に実験店をオープンし、消費ニーズを検証する予定だ。
直近の食品小売業界の小型店開発の傾向を見ると、イオン(千葉県)グループの都市型小型フォーマット「まいばすけっと」は、売場面積40~60坪のコンビニサイズが中心だが、近年、立地に合わせて80坪程度の大型店の出店を始めている。
また近年、有力食品スーパー各社が、肥沃な都心部の需要と取り込むべく都市型小型店の開発を進めている。ライフコーポレーション(大阪府)やサミット(東京都)、オーケー(神奈川県)などは100~150坪で日常の食をカバーするフォーマットを開発し、支持を得ている。
対して、セブン-イレブンの大型の新フォーマットはどのような特徴や価値を打ち出す店舗となるのか。
たとえば、現在、コンビニが生活インフラになっている地方の過疎化が進んでいるような地域では、「セブン-イレブン」が大型店となることで、助かる生活者は多そうだ。
このように、“コンビニ飽和論”や、コロナ禍の売上低迷で、近年は今後の成長戦略の道筋に停滞感が否めなかったセブン-イレブンだが、ここにきて出店による新たな成長戦略を打ち出している。具体的な実験と検証はこれからだが、その新フォーマットの存在は、商圏内の食品市場競争に新たな波紋を呼びそうだ。