羽田未来総合研究所社長(元三越伊勢丹社長)が仕掛ける「羽田空港アップデート戦略」とは?
CRMのカギを握るのはEC事業
――MDやマーケティングを担う部署も新設したとのことですが、目下、どのように政策を進めていますか。
大西 その前に、前提として各種の政策を推進するうえで必要な顧客データが不足している、という大きな問題課題があります。羽田空港の搭乗券の情報は各航空会社が保有しており、個人情報保護の観点からその情報を共有できないためです。
8500万人分の旅客者の情報がリテール活用できないのは非常に手痛いところです。しかし、できないことを嘆いても仕方がない。当社でできる限りのCRM(顧客関係管理)は進めていく必要があります。
――ECサイト「HANEDA shopping」などの直営事業は、顧客情報を集約する貴重なチャネルですね。
大西 おっしゃるとおりです。しかし、現状のEC化率は売上全体の1%弱なので、今後の大きな事業の柱に育てていきたいです。5%~10%を1年でも早く達成することで世の中のトレンドに追いついていきたいと思います。