ビッグ・エー三浦社長が語る「日本版アルディ」実現への道筋
飛躍のカギは生鮮と非食品 150坪以上での出店も検討
こうしたアルディとリドルの成長戦略に学びながら、ビッグ・エーも日本を代表するHDS企業へと進化するべく、さまざまな策を練っている。
とくに重視しているのが生鮮とインストアベーカリーだ。たとえば青果部門では100を超える農家と直接契約を結んでおり、旬の新鮮な野菜や果物の仕入れルートを構築。精肉についても品揃えの強化を図っている。また、インストアベーカリーについてはすでに約30店舗で展開しているが、「3年間で黒字化できる運営モデルが構築できている」(三浦社長)という。
PBの拡充も急ピッチで進める。現在、ビッグ・エーのPBのSKU数はおよそ400、売上構成比では2割程度となっている。これを今後早い段階で3~5割程度には高めていく考えだ。合わせて、「アルディやリドルが取り組んでいるように、非食品の分野も強化していきたい」(三浦社長)として、生活雑貨だけでなくバラエティグッズや家電製品など、「買物の楽しさ」を演出するような商品群の導入も検討していく考えだ。
さらに、売場面積についても再検討する。ビッグ・エーは今のところ100坪前後が標準サイズだが、「非食品の拡充を考えたとき、150坪くらいあってもいいのではないかと思う」と三浦社長は話し、今年9月以降は、150~200坪サイズでの出店も計画しているという。
人口減少、商圏の縮小、増税を前にした節約志向の高まりといった追い風が吹く中、ビッグ・エーはさらなる成長を遂げることができるか。そして、HDSを日本市場に浸透させることはできるか。その動向が注目される。