ビッグ・エー三浦社長が語る「日本版アルディ」実現への道筋
ハードディスカウントストアが日本で浸透しない理由
しかし、冒頭の三浦社長の発言どおり、日本ではHDSという業態が広く浸透している状況にはない。その理由として三浦社長は、HDSを含むDSに対するイメージの問題を挙げる。「節約志向の高まりとともにDSという業態への認知度は高まっているものの、とくに商品に対する信頼度の面では『安かろう悪かろう』という印象がいまだに根強い」というのが三浦社長の見方だ。
では、同じHDSであるアルディやリドルはなぜ世界中で勢力を拡大できているのか?
実はアルディもリドルも、どの市場でも最初から存在感を示せていたわけではない。「とくに英国では以前、HDSの地位は決して高くなかった」と三浦社長は言う。あくまでも低所得者層の買物場所であり、”安かろう悪かろう”というイメージが強かったという。
しかし今や状況は一変。テスコ(Tesco)、セインズベリー(Sainsbury’s)、アズダ(Asda)、モリソンズ(Morrisons)のいわゆる「ビッグ4」を、アルディやリドルが猛追するという状況にある。その背景には、リーマンショックや増税によって新規顧客(中間層以上)が流入し、それに合わせてHDSがオーガニックを含む質の高いPB商品や、生鮮食品の拡充、インストアベーカリーの導入を進めたことで、彼らが定着したという経緯がある。商品や店舗ブランドに対する信頼を高めたことで、顧客層の拡大に成功したというわけだ。
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