ファッションEC(インターネット通販)サイト「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」を運営するZOZOは、有料会員向けの割引サービス「ZOZOARIGATO(ゾゾアリガトー)メンバーシップ」を5月30日で廃止する。
年3000円または月500円の会費を支払うと、ZOZOTOWNの商品を10%引きで購入できる同サービスは2018年12月に開始したが、ブランド価値を低下させるとして一部の出店ブランドがZOZOTOWNから撤退した。また、入会者数も会社の想定に届かなかったため、サービスを廃止することにした。
同サービスを廃止する代わりに、クレジットカード「ZOZOCARD」を5月30日にリニューアルし、同カードで決済した場合のポイント還元率を従来の2%から5%に引き上げる。
同社が4月25日に発表した19年3月期の連結業績は、売上高が前期比20.3%増の1184億円、営業利益が21.5%減の256億円、純利益が20.7%減の159億円と増収減益だった。体型を自動測定する「ZOZOSUIT」を大量配布したコスト負担が大きかったほか、初年度に200億円を目標としていたプライベートブランドの取扱高が27億6000万円にとどまり、広告宣伝費負担が重くなった。
業績立て直しに向け同社は、ZOZOSUITで取得した体型データを出店ブランドに提供し、商品の多サイズ展開を支援する「MSP(マルチサイズプラットフォーム)」事業を今秋から始めるほか、中国への越境ECサービスを今期中に始める予定。また、ファッションブランドの自社EC用の在庫管理と配送を一括で請け負う「フルフィルメント by ZOZO」を10月から始めるなど、BtoB事業を強化する。
20年3月期の連結業績は、売上高が前期比14.9%増の1360億円、営業利益が24.7%増の320億円、純利益が40.8%増の225億円を見込む。